「美貌との落差が」「笑うしかない」 まさかの再現できてしまった強烈実写化女性キャラ

ハイテンションな性格や常軌を逸した行動のマンガのキャラクターは、現実離れしているからこそ人気になることも珍しくありません。実写化した際は、やや現実寄りになるかと思いきや、「ここまで?」と現実ファンも驚くようなクオリティーで再現されるケースもありました。

高橋ひかるさん(2018年12月、時事通信フォト)

 一度目にしたら忘れないようなビジュアルや行動が魅力のキャラクターは、マンガの実写化の際に「コンプラ的にダメそう」「中途半端にやったら大事故になる」と読者から心配されることも珍しくありません。そんな現実離れした、クセが強い要素があるも、実写化でしっかり再現された女性のキャラクターに注目しました。

●『やんごとなき一族』深山美保子(演:松本若菜)

 2017年より「Kiss」にて連載されている『やんごとなき一族』(作:こやまゆかり)は、400年以上続く名家「深山家」に嫁いだ主人公「篠原佐都(演:土屋太鳳)」が親族内で起こる争いに翻弄されながらも、夫とさまざまな苦難を乗り越えていく姿を描いた作品です。2022年4月に放送されたドラマ版も、クセの強い深山家の面々によって、毎話SNSの実況が沸く話題作となりました。

 そのなかでも、あの手この手で佐都に嫌がらせをする深山家の長男の妻「美保子」は、演じた松本若菜さんの怪演が驚くほどハマっており、ネットでは「松本劇場」と称されるほど注目を集めていました。

 美保子は、第1話からずぶ濡れになった佐都に「調子に乗ってんじゃないわよ! この雨後のタケノコが! ずうずうしく人の家にのこのこのこのこ、ニョキニョキニョキニョキ、タケノコタケノコニョッキッキと生えてきやがって!」と捲し立ててサウナに閉じ込めたり、第2話では悩む佐都を「グーチョキパーの歌」の替え歌で煽ったりと、序盤から名物キャラとして視聴者に強烈な印象を残しています。

 原作ファンからも「原作の美保子さんと比べるとパワフルで憎めない感じになってるけど、人を陥れる底意地の悪さは再現度高い」「原作通り美保子さんって身内にいると嫌な人ではあるんだけど、ドラマはいちいち面白すぎて笑う」と高い評価を得ました。

●『村井の恋』田中彩乃(演:高橋ひかる)

 2018年から2022年にかけて「ジーンLINE」で連載されていたマンガ『村井の恋』(作:島順太)のドラマ版も、強烈なキャラクターの再現度がファンから好評を集めています。

 本作は、乙女ゲームの推しキャラ「春夏秋冬(ひととせ)」に恋する高校教師「田中彩乃」が、一方的に想いを寄せられている教え子「村井(演:宮世琉弥)」に猛アピールされるところから始まる物語です。無表情で周囲と交流しない性格が原因で生徒たちから「鉄仮面の鉄子」と呼ばれる田中は、村井から結婚を迫られても冷たく断ります。しかし、ある日偶然にも髪型を変え、春夏秋冬とそっくりになった村井に心を乱されることとなっていくのです。

 田中を演じた高橋ひかるさんには、原作ファンからも「ハイテンションな高橋ひかるちゃん、かなり鉄子で再現度高い」「普段のサバサバしたキャラとセリフのキレの良さがめちゃくちゃハマってた」と、ギャップを感じさせる演技が好評となっていました。

●『無能の鷹』鷹野ツメ子(演:菜々緒)

 ドラマ版の再現度の高さに、原作者のはんざき朝未先生も「心配が一気に吹き飛んだ」とコメントを寄せた強烈なキャラといえば、2024年に放送されたドラマ『無能の鷹』の主人公「鷹野ツメ子(演:菜々緒)」です。

 鷹野はスマートな身のこなしや自信を感じられる話し方が後押しとなって、大企業から内定を得ますが、周りから「出来の悪い小学生」と呆れられるほど仕事ができず、入社後すぐ社内ニートになるほどのポンコツです。見るからに仕事ができそうなのに、実は途方もなく無能……という現実離れした鷹野を、原作そっくりのビジュアルかつ落ち着いた雰囲気を持った菜々緒さんは見事に演じていました。

 菜々緒さん演じる鷹野が「難しいことを考えると、頭が痛くなる」「何が分からないのかが分からない」と堂々と自分の無能ぶりを宣言するシーンには、「原作でめちゃくちゃ笑ったセリフをここまで再現してくれてうれしい」「鷹野の謎ポジティブ加減、ドラマでもめちゃくちゃ良いな」と、原作読者も魅了されていました。

※高橋ひかるさんの「高」は「はしごだか」

(田中泉)

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