「とにかく悔しかった」アメリカで居残り2日間 桑木志帆を成長させた予選落ち

◇国内女子◇アース・モンダミンカップ 初日(26日)◇カメリアヒルズCC(千葉)◇6688yd(パー72)

時差ボケで夜中に3度目が覚めても、そこから寝つけなくても、アメリカに残ったことは全く後悔していない。桑木志帆は前週の海外メジャー「全米女子プロ」で予選落ちをしたあと、週末はコースに残って練習。「すごく悔しかったけど、それ以上に収穫があった1週間でした」と、この日「69」で3アンダーの好発進につなげた。

5月「全米女子オープン」(56位)で初のメジャーを経験。前週の2日目は初日「82」をたたいた悔しさを晴らす「70」をマークしたが、カットラインには1打届かず、「とにかく悔しかった」と週末は現地に残って練習に打ち込んだ。

居残り練習で主に取り組んだのはスイングの修正。「(軌道が)フラットになってしまっていたので、それをタテ振りにする作業」に注力し、シーズン序盤から段々ズレてきたスイング軌道を見直した。「アプローチやパター、ショットをいっぱい練習できたので、つかんだものがあった」。自身2度目のメジャーを、悔しさだけで終わらせなかった。

現地の月曜に飛行機に飛び乗り、帰国したのは火曜の午後3時頃。時差ボケも疲れもとれないまま入った本大会で、6バーディ、3ボギーの好スタートを切った。修正したショットを武器に、前半は3m以内のチャンスを作ってボギーなしの3バーディ。後半は11番、12番でボギーをたたいたが、13番(パー3)からの連続バーディですぐに取り戻した。

「くよくよしている場合じゃない」。スコアを落としても平常心を保ち続けることも、メジャーで学んだことだ。「(アメリカは)すごいタフなセッティング。一打一打に感情の起伏があったら、絶対にうまくいかない」とメンタルも鍛えられた。

来季の米ツアー出場に向けて、今季末のQスクール(最終予選会)挑戦も視野に入れている。「ぜんぜん歯が立たなかった」と海外の厳しさを味わったばかりだが、「厳しいけど、無理だとは思わない。経験がすごく大事だし、まだこっちでやるべきことがたくさんある」と得たものは多かった。

帰国後の試合で、まずは今季初優勝に向けて上々のスタート。「いっぱい寝て、あしたからも頑張りたい」と重い体を引きずって残り3日間に備える。(千葉県袖ケ浦市/谷口愛純)

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