無限に玉が転がり続ける超絶複雑なマーブルラン「Marble Fountain」を3Dプリンターで作成

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考えられる限り最も複雑なアート作品を3Dプリンターで作成したいと考えたメカトロニクスエンジニアのウィル・モリソン氏が、超絶複雑なマーブルランMarble Fountain」を作成しました。

Marble Fountain :: Will Morrison — Personal Blog

https://willmorrison.net/posts/marble-fountain/ モリソン氏が作成したMarble Fountainは以下です。

モリソン氏いわく、Marble Fountainのプロトタイプはすぐに完成したとのこと。Marble Fountainの作り方は非常にシンプルで、まずはランダムに点を配置します。次に、各点をつなぐように滑らかな曲線を描き、一定の傾斜を設定するだけです。これだけではシンプル過ぎたため、より多くのパーツを追加するべく、玉が転がる経路をシミュレートするプログラムの「パスソルバー」を作成。 パスソルバーは、まずマーブルランの上部から下部までを結ぶランダムな経路を作成します。各径路は指定の範囲内に留まるように配置され、経路は均等に間隔を空けて配置。転がる玉が浮き上がらないように、経路の傾斜の変化は滑らかになるよう設定されています。また、玉が経路から飛び出したり、経路上で停止したりしないように、経路のカーブには最小および最大旋回半径も設定されています。

各経路を支えるサポート(柱)は、距離とサイズの類似性によって重みづけされ、他のサポートに向かって引っ張られます。サポートの構造に円弧が採用されるのは、サポートにも慣性があるためだそうです。こうして完成したMarble Fountainの出力には5~20分ほどかかった模様。 というわけで、完成したMarble Fountainが以下です。

Procedurally Generating Infinite Marble Runs — Marble Fountain - YouTube

真上から見たMarble Fountainはこんな感じ。真ん中にあるのが玉のスタート地点です。

黒色の2本線がレールになっており、この上を玉が転がっていきます。

玉は最終的に一カ所に集まり、機械によってスタート地点まで運ばれるわけです。

真横から見ると全体の複雑さがよりハッキリとわかります。

スタート地点から玉が転がっていく様子。経路は8つあるようです。

モリソン氏はMarble Fountainを出力するためのコードも公開しています。

GitHub - Will-Morr/MarbleFountain

https://github.com/Will-Morr/MarbleFountain

なお、モリソン氏は「Marble Fountainは趣味のプロジェクトとして、これまでで最も手間がかかった作品です。2024年2月に着手し、9月まで断続的に作業しました。ギャラリーでの展示を予定していたのですが、システムを展示できるレベルに安定させるのに苦労しました。1時間に2、3個のビー玉が落ちてしまい、モーターが過熱せずに稼働できるのが数時間だけという問題にも遭遇しています」と言及しました。

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