「クマに襲われた可能性」から一転、事件に 93歳男性の体に刃物で切られたような複数の傷…殺人事件として捜査 周辺住民にも動揺広がる【秋田発】
18日午後1時7分ごろ、大仙市協和峰吉川の住宅で男性が寝室で血を流して倒れているのが見つかった。 倒れていたのは、この家に住む無職の進藤藤義さん(93)で、警察と消防が駆け付けたときはすでに心肺停止の状態で、その場で死亡が確認された。 進藤さんの体には広い範囲に出血が見られ、当初はクマに襲われた可能性があるとされたが、警察が司法解剖を進めたところ、何者かに刃物で切りつけられたような傷が複数確認され、死因は出血性ショックと判明した。 凶器はまだ見つかっていない。 進藤さんは妻(80)と長男(51)の3人暮らしで、外出先から戻った妻が寝室で倒れている進藤さんを見つけ、通報した。 当時、長男は在宅していて「不審な物音などは全くなかった」と話しているという。 警察は殺人事件と断定し、犯人を捜すとともに凶器の特定を急いでいる。
静かな集落で起こった今回の殺人事件。現場周辺に住む住民からは「クマの被害ではなくて安心した」という声が聞かれた一方、犯人が捕まっていないことへの不安が広がっている。 伊藤晴子記者: 事件から一夜明け、男性の遺体が見つかった現場周辺では警察による見張りが続けられている。近隣には住宅が密集しているが人の姿はほとんど見られず、辺りは静まり返っている。 周囲の住民は、音を鳴らさずに集まってきたパトカーや救急車を見て事件を知ったという。 亡くなった進藤さんは物静かで、近所と付き合いはあまりなかったものの、自宅の庭では花を育て、畑では野菜を栽培して道の駅などで販売していた。最近も自転車に乗ったり歩いたりする進藤さんの姿が確認されていた。 地域住民: たまに店に来て買い物をするが普通だった。いい人だと思う。みんなに好かれていると思う。健康状態はいいんじゃないですか、歩いて郵便局にも来るから。自転車で歩けるし畑にも行っているみたいだった。 地域住民: 近所との付き合いはあったと思うが、私も詳しくは分からない。エビネの花を栽培している人というのは聞いている。私もだいぶ前に見たことがある。 変わった様子もなく、なぜ殺されてしまったのか。集落に動揺が広がっている。
秋田テレビ