[第四北越×群馬銀]2027年4月1日めどに統合、地方銀行業界3位規模に…なぜこのタイミング?両トップ会見【一問一答あり】

 第四北越銀行を傘下に持つ第四北越フィナンシャルグループ 第四北越フィナンシャルグループ 新潟県に地盤を持つ地方銀行の第四銀行と北越銀行が経営統合して2018年に設立された持ち株会社。傘下2行は21年に合併して第四北越銀行となった。24年3月末時点の連結総資産額は11兆1378億円。25年3月末時点で第四北越銀の店舗は新潟県内189店、同県外14店の計203店。海外にも中国・上海に駐在員事務所を置く。連結従業員数は3504人。 (FG、新潟市中央区)が24日、群馬県を地盤とする群馬銀行 群馬銀行 1932年に設立された群馬県を地盤とする地方銀行。2024年3月末時点の連結総資産額は10兆8182億円。25年3月末時点で国内店舗は群馬県内111店と同県外48店の計159店。海外も米ニューヨークに店舗があり、中国・上海やタイ・バンコクなど3カ所に駐在員事務所がある。連結従業員数は2927人。 (前橋市)と、経営統合に向けて基本合意した。2027年4月1日をめどに統合する。県境をまたいだトップ地銀同士の統合で企業規模を拡大し、経営基盤強化を図る。単純合計した両社の連結総資産額は、地方銀行業界3位規模となる。

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 持ち株会社の第四北越FGの社名を変更した上で群馬銀と株式交換を行い、経営統合。第四北越銀と群馬銀が傘下に入る。群馬銀は東京証券取引所から上場廃止になる予定。

 合併は予定せず現状の営業を継続、両行の本店所在地は変わらない。持ち株会社の本店所在地や社名は、26年3月に予定する最終契約の締結で定める方針だ。

 両社は24日都内で記者会見を開き、合意までの経緯を説明。群馬銀から経営統合を持ちかけ、昨年11月下旬に秘密保持契約を締結し、基本合意に向けた検討を進めてきたと明らかにした。

 会見で群馬銀行の深井彰彦頭取は「経営環境がどんどん変わって厳しさを増している。進むスピードを上げ、互いの経営資源を合わせていくのがよいとの認識を持った」と説明。

 第四北越FGの殖栗道郎(うえぐりみちろう)社長は「お話をいただいたとき、あまりちゅうちょしなかった。(両社は)親和性は高いけれども、得意分野は少し違うので非常にシナジー(相乗効果)が出やすい」と期待感を示した。

 両社は24日、それぞれ取締役会を開いて基本合意を決議した。

 第四北越FGによると、統合後の連結総資産は単純合算で21兆4420億円(24年12月末時点)となる。

 急速な人口減で地域経済が縮小し、経済活動にも影響が出ている。また、日銀がマイナス金利政策を解除し、金融機関の預金獲得競争が激化。地銀を取り巻く環境が厳しくなる中、経営規模を大きくするだけでなく、地域貢献に向けた提案力を高める。

 第四北越銀と群馬銀は、これまで千葉銀など地銀10行による枠組み「TSUBASA(つばさ)アライアンス」に参画。第四北越、群馬両行は21年に包括的な業務提携を締結し、共同店舗の設置や地域活性化などのビジネスで協力してきた。

◆[一問一答]なぜこのタイミングで合意?...

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