10月の夜空に注目! 新発見の彗星「C/2025 R2」観測のポイントは

 10月の夜空が、天体観測ファンにとってうれしい贈り物を用意しているかもしれない。新たに発見された彗星が、われわれの空を通過するのだ。その名は「C/2025 R2(SWAN)」。こちらに向かっているようだ。 【画像】「月面から昇る太陽」「宇宙の竜巻」など--2025年注目の宇宙写真8選  シカゴを拠点とする天文学者のJeffery Hunt氏は、米CNETにこう語った。「10月中旬、さそり座で最も明るい星であるアンタレスの上の南西の空に、この彗星は見事な姿を見せてくれるかもしれない」「日没から約45分後の薄明の時間帯に、北半球の中緯度地域では、彗星は地平線から約20度の高さに見える。これは地平線から天頂までの4分の1ほどの高さだ」 彗星の発見  太陽を観測する宇宙機SOHOに搭載された観測装置「SWAN」にちなんで名付けられたこの彗星は、9月11日にウクライナのアマチュア天文家、Vladimir Bezugly氏によって初めて発見された。同氏がSWANの撮影した画像を調べていたときのことだった。  「これは画期的な出来事だ。これまでで20個目の公式なSWAN彗星になる」とBezugly氏はUniverse Todayに語った。  Bezugly氏がこの発見をしたのは、彗星が近日点として知られる太陽に最も近づく地点に到達する1日前のことだった。  9月17日には、チリの天文台が望遠鏡を使って写真を撮影し、明るいコマと印象的なエメラルド色のイオンの尾を持つC/2025 R2の姿を捉えた。コマとは、彗星が太陽に近づくにつれて、その周りに形成される大気のことだ。太陽の熱によって彗星の核にある凍ったガスや氷の塊が変化し、大気が作られる。  「観測できた期間がまだ非常に短く、軌道が正確には分かっていないが、この彗星は今後数週間にわたって追跡すべき、非常に興味深い天体となった」とチリのチームは述べた。 彗星とは何か  米航空宇宙局(NASA)は彗星を「凍ったガス、岩石、塵でできた、太陽の周りを回る宇宙の雪玉」と表現し、「凍っているときの大きさは、小さな町ほどだ」としている。  彗星の最も有名な特徴は、おそらく尾だろう。彗星は太陽に近づくと熱せられて塵やガスを噴き出し、太陽から離れる方向になびく尾を形成する。NASAによると、われわれの太陽の周りには、おそらく何十億もの彗星が周回しているという。  最も有名な彗星は、76年ごとに現れるハレー彗星だ。最後に地球の空で見られたのは1986年で、次は2061年に戻ってくる。 新彗星はいつ見られる?  Hunt氏によると、この彗星が地球に最も近づくのは10月中旬ごろだという。空にかすんだ、ぼんやりとした光の塊を探してみよう。スマートフォンのアプリが、それを見つけるのに役立つだろう。  「(双眼鏡を使えば)コマの中にある彗星の本体を探せる。雲のような天体で、尾は日没の方向とは反対側を向いているはずだ」とHunt氏は言う。「尾は双眼鏡の視野全体に広がるかもしれない」  「彗星は毎晩、少しずつ東へ移動していく」と同氏。「しかし、前の晩に見えた場所を見れば、双眼鏡で捉えることができるだろう」  C/2025 R2の位置は、「TheSkyLive.com」を使って追跡できる。このサイトでは、地球からの彗星の距離がリアルタイムで表示されるほか、インタラクティブな星図も提供されている。この星図に自分のいる場所を入力すれば、そこから見える空の様子を確認できる。  「彗星の明るさを予測するのは非常に難しいことだと、常に心に留めておく必要がある」とHunt氏は言う。「初期の観測では、肉眼で見えるぎりぎりの明るさになる可能性が示唆されているが、双眼鏡を使えば見やすくなる」  都会の明かりを離れ、郊外の暗い場所へ行けば、この彗星や夜空のどのような天体もはるかに見やすくなる。雲に視界を遮られない、晴れた夜を探してみよう。C/2025 R2は、ただ空を見上げるだけで観測できるほど十分に明るくなるかもしれない。  「三脚に据えたカメラで数秒間露光すれば、彗星を撮影できる」とHunt氏は言う。「スマートフォンでも、カメラをしっかり固定すれば撮影できるかもしれない」 10月の見逃せない天体ショー  これを差し引いても、10月は天体観測ファンにとって忙しい月だ。  スーパームーンが近地点を通過する際には、いつもより大きく明るく夜空に輝く。外に出てこれを見る絶好のタイミングは、満月となる10月7日だ。10月のスーパームーンは、4カ月連続で起こるスーパームーンの最初の1つで、2026年1月まで毎月スーパームーンが期待できる。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japan
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