西郷真央がパッティングコーチから初レッスン アジア4試合スキップの狙いは

◇米国女子◇ウォルマート NW アーカンソー選手権 presented by P&G 事前(18日)◇ピナクルCC (アーカンソー州)◇6438yd(パー71)

16日(火)の夕方、選手の数もまばらになった練習グリーンで西郷真央がパッティングを繰り返していた。かねて練習量は豊富な選手だが、珍しかったのはコーチのレッスンを受けていたこと。「今週からです」と明かした相手は、パッティングコーチのクリス・チョウ氏。男子のザンダー・シャウフェレトム・キム(韓国)、女子でもリディア・コー(ニュージーランド)らに携わってきた人物だ。

これまでエイムポイントについて教わったことはあるが、パッティングコーチの指導を受けるのは初めて。「以前から(チョウ氏の)レッスンを受けたかった」という希望が、このタイミングで実現した。距離にして2~3mほど、いくつかのカップをターゲットに繰り返す練習は比較的シンプルなもの。ストローク、打ち出しの軌道のズレをチェックする練習器具を使い、時折動画も撮影して2人で確認。それこそが西郷が求める部分だったという。

「フィードバックが大事。何ができていて、何がダメで、この結果だったのかっていうのがしっかり分析できる」。試合になれば、どうしても入るか入らないかという結果にフォーカスしがち。現状と課題を、客観的な目とデータを用いて整理することで向上につなげていくことができる。「今の自分に何が足りないかを見てもらって、思考も、やらなきゃいけないこともクリアになった。すぐに結果につながるかは分からないけど、積み重ねていけたら」

52位だった前週も、納得のショットをつなげられる場面は少なくなかった。4月のメジャー「シェブロン選手権」以来の優勝はもちろん、さらに飛躍していくためにも量産できているチャンスを仕留めきるパッティングの精度を上げていきたい。

冷静な現状認識、課題解決への迅速な対処は終盤のスケジューリングにも。10月は「ハンファ・ライフプラス インターナショナルクラウン」に日本代表として出場する一方、アジアシリーズ4試合のエントリーを見送った。初戦の「ビュイックLPGA上海」では昨年2位に入っており、「BMW女子選手権」も会場は異なるが上位争いを演じた韓国での試合。今年もポイントを稼ぎにいく考えはあった。

それでも、最近の体調を踏まえて休養を設けるべきと判断。さらに日本で腰を据えて来季に向けたクラブやシャフトのテストを行いたい考えもある。過去2シーズンの優勝者が出られる開幕戦からとなると、例年以上に早めの準備がマストだ。「しっかり身体を休めて、体調を戻してから、そういうことができたら」。メジャーを制した充実のシーズンに甘んじることなく、高みを目指して日々を過ごす。(アーカンソー州ロジャース/亀山泰宏)

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