【西武】ビハインドでも献身的に投げ続ける中村祐太 緊急登板のこの日も試合壊さず投げ抜いた
- 日本ハム対西武 4回途中から登板の中村祐(撮影・黒川智章)
<日本ハム6-1西武>◇5日◇エスコンフィールド
5点をリードされた4回途中、西武は先発武内が負傷し、中村祐太投手(29)がブルペンでスクランブルで準備を始めた。
肩を急いで作って、そのままマウンドへ。でも。
「いつでもそういうピンチに緊急登板できるよう準備して。そこでやることが、僕の今の仕事だと思っているので」
詰まった安打で1点を失ったが、5回と6回はしっかり「0」を並べた。
広島から現役ドラフトで西武に加入し、今年で2年目になる。去年も今年も、いわゆる“勝ちパターン”では投げていない。
今季でいえば2点差のビハインドが4試合、4点差以上のビハインドが3試合、そして9点リードでの登板が1試合。
長いシーズン、誰かがそういう役回りをしないと投手陣は回らない。中村祐はそこで投げている。心はぶらさずに。
「ビハインドで行こうが勝ちで行こうが、やることは変わらないので。ゼロで帰ってくるのが投手の仕事なので。試合を壊さないように、なるべく最少失点で逆転の目をつなぐっていうのがビハインドで投げる投手の役割だと思います。そこは今日はできたかな」
今季8試合目の内容は。「もっと明日につながるような、内角の攻めとか、もうちょい投げ切れたら良かったなっていう反省はあるんですけど。でもなんとかゼロで抑えられたのは良かったなと思います」と総括。西口文也監督(52)も「しっかり祐太が仕事してくれた。チームとしても助かった」とたたえた。
これで防御率は0・77。WHIP(1イニングあたりに許す走者数)は1・03になった。0勝0敗0ホールド0セーブだけれど、指標は高水準だ。
「すごく状態もいいですし、ここはボール球をしっかり投げなきゃいけないとか、状況判断とか周りも見えているので。いっぱいいっぱいになっていないところが今、いい結果につながっているのかなと思います」
8月の終わりには30歳になる。さらなる好結果で、また違ったシチュエーションでの登板を-。頼れる中堅世代はでも、青春時代も忘れない。
「監督さんに連絡して。『頑張ってください』と。監督さんも『お前も頑張れよ』って声かけてくれたので。常に見てくれているので、なんとか結果で恩返ししたいです」
米沢貴光監督(49)率いる関東第一(東東京)も準Vの昨夏を超えるべく、2年連続で甲子園へ乗り込んだ。母校の活躍を気にしながら、今の居場所で輝く。【金子真仁】