「夫婦別姓反対は全員落選」護憲集会ルポ、改憲世論高まるも反対ビラ積極配布で熱気高まる

護憲派集会に参加した立憲民主党の辻元清美代表代行=3日午後、東京都江東区(奥原慎平撮影)

市民団体「九条の会」「戦争をさせない1000人委員会」などの共催で3日に東京・有明防災公園で開かれた憲法大集会。改憲の賛否は4月に産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)が実施した世論調査で「賛成」(59・0%)が「反対」(29・9%)の倍となるなど、護憲勢力は少数になりつつある。こうした現状を打開すべく「軍拡よりめし、原発より命」などと書かれたのぼりを手に数多くの人々が集まった。

午後1時の開会を控え、集会の会場に近い新交通システムゆりかもめの有明駅前も熱気に包まれていた。

「革マル派」と書かれた鉢巻の人ら幾多の団体が、電車を降りて集会に向かう人々にチラシを配る。警察の車両も待機していた。

護憲派集会に向かう途中で渡されたビラの数々

記者は会場に着くまで「安保強化・改憲を阻止しよう!石破政権を打倒せよ」「民族排外主義と差別が、戦争への道」などと記されたチラシを26枚も渡された。

会場付近には物販など、さまざまなブースが立っていた。弊紙は改憲の論陣を張る。その上で「LOVE憲法」と書かれたビラを所望したら、快く渡してくれた。「共謀罪『話し合う』ことが犯罪に⁉」と垂れ幕を掲げるブースもあった。8年前の平成29年6月に成立した「共謀罪」を含む組織犯罪処罰法改正法への反対を示しているとみられる。

集会には野党議員も登場しており、立憲民主党の辻元清美代表代行は相次いで握手を求められる。記者が購入した「核兵器禁止条約へ」と記したタオルマフラー(1000円)を見せると「染まっているじゃないの」とグーサインを出した。

「あらゆる分断の先に戦争が手招きしている。分断を阻止する戦いの要は女たちの連帯とパワーに他ならない」

市民活動家の菱山南帆子氏

午後1時。開会の合図を担った30代の若い市民運動家、菱山南帆子氏はこう声を張り上げた。菱山氏を巡っては3月の国際女性デーに合わせ東京・新宿で「男が産めるのうんこだけ」などとコールして物議を醸した経緯がある。

菱山氏は夏の参院選に言及し「改憲勢力を追い詰めるではなく、選択的夫婦別姓に反対する議員が落選するくらい運動を盛り上げよう」と声を張り上げた。

続いて元経済産業省官僚、古賀茂明氏は立民が態度を明らかにしていない今国会での内閣不信任決議案提出について「躊躇(ちゅうちょ)なく出してほしい。その時本当に政治が変わる」と訴えた。

立民の辻元氏は「やるときはやる」と勢いよく声を張り上げた。それに対し、会場にいた記者からは「やらないときはやらない…。何も答えていない」と疑問視する声があがった。

その後、共産党の田村智子委員長は記者団の取材に応じ、産経などの世論調査で護憲を求める世論が弱まっている現状について、異なる結果もあると反論し「憲法を変え戦争ができる国を目指したのは明らかだ。憲法の立場に立った国際協調が必要だ」と強調した。(奥原慎平)

護憲集会で自民批判ソング披露

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