NY市場サマリー(1日)株4日続伸、ドル下落 ・利回り低下

<為替> ドルが円やユーロなどの主要通貨に対し下落した。米経済指標で雇用の減速が示されたことで、米連邦準備理事会(FRB)は年内にあと2回の利下げを実施するとの見方があらためて裏付けられた。

終盤の取引でドル/円は0.6%安の147.07円。序盤の取引で一時、9月17日以来の安値を付けていた。

米ADPリサーチ・インスティテュートが朝方発表した9月の全米雇用報告によると、民間雇用者数は予想に反し3万2000人減少。2023年3月以来、最大の落ち込みとなった。8月は5万4000人増から3000人減に大幅下方修正された。
米国では党派対立で議会とホワイトハウスがつなぎ予算案で合意できなかったことを受け、政府機関が一部閉鎖。これに伴い、労働省の9月の雇用統計が予定通りに3日発表されないため、ADPの全米雇用統計が通常よりも大きな注目を集めた。

NY外為市場:

<債券> 国債利回りが低下した。この日発表された民間雇用統計が引き続き労働市場の弱体化を示唆したことを受けた。投資家の間では、米政府機関の一部閉鎖を受け、市場と経済への影響を巡る不透明感が広がっている。

指標となる10年国債利回りは約5bp低下の4.106%。

2年債利回りは約6bp低下の3.545%。

2年債と10年債の利回り格差は56bpまで拡大した。来週予定される3年債、10年債、30年債の入札を受け、スティープ化が一段と進む可能性がある。

米金融・債券市場:

<株式> 主要3指数が4営業日続伸して取引を終えた。米政府機関閉鎖による不透明感や予想を下回る民間雇用指標にもかかわらず、ヘルスケアセクターへの買いが相場を支えた。

主要3指数は下落して始まったが、いずれもプラス圏で終了。製薬株への買いを追い風にヘルスケアセクター(.SPXHC), opens new tabが上げを主導した。
製薬大手ファイザー(PFE.N), opens new tabとトランプ大統領は30日、ファイザーが関税減免と引き換えに、低所得層向けの公的医療保険「メディケイド」の処方薬価格を他の先進国並みに引き下げることで合意したと発表した。トランプ氏は他の製薬会社も追随するとの見方を示した。
ハイテク株も買われ、マイクロン(MU.O), opens new tabは8.9%高。フィラデルフィア半導体指数(.SOX), opens new tabは2%上昇した。

米国株式市場:

<金先物> 米政府機関の一部閉鎖を背景に安全資産としての金が買われ、続伸した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比24.30ドル(0.63%)高の1オンス=3897.50ドルと、前日に続き再び史上最高値を更新した。

NY貴金属:

<米原油先物> 米政府機関の閉鎖の影響が懸念される中、有力産油国の増産方針を巡る不透明感などが重しとなり、3日続落した。米国産標準油種WTIの中心限月11月物の清算値(終値に相当)が前日比0.59ドル(0.95%)安の1バレル=61.78ドル。中心限月の清算値ベースでは5月下旬以来4カ月ぶりの低水準となった。12月物は0.57ドル安の61.39ドル。

NYMEXエネルギー:

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