メタプラネット株主、優先株発行規定の新設を賛成多数で可決
ビットコイン購入会社のメタプラネットの株主は1日の臨時株主総会で、機動的な資金調達の検討を可能にするための優先株の発行規定を新設する議案を賛成多数で可決した。サイモン・ゲロヴィッチ社長がX(旧ツイッター)で2日未明に発表した。
ホテル運営から業態転換し、現在はビットコインの投資・保有企業となった同社が東京で開いた臨時株主総会では、発行可能株式総数を増やすための定款変更や最大5億5500万株の優先株発行に関する規定の新設計画など3つの議案を株主に諮り、いずれも承認された。
優先株は配当が普通株式より優先される一方、総会での議決権が制限されるもので、今回の新設計画では普通株式へ転換できない非転換型(社債的)のA種、転換可能なB種の2種類を想定している。開示資料によると、株主の承認を今回得たことで最大5550億円の調達が可能になる。
今回の臨時総会は同社が先週、海外での公募増資を通じて約1300億円を調達する計画を発表した直後に行われたもの。1日の発表資料では、現在2万ビットコイン、購入総額3023億円分を保有。2026年末までに保有枚数を10万、27年末までに21万に増やす計画だ。
同社は今年これまで、投資会社エボ・ファンドを割当先とする新株予約権を通じ2400億円以上を調達。ただ、3日から30日まで新株予約権の権利行使を停止しており、新たな資金調達手段を模索している。世界的なビットコイン獲得競争に対応することが狙いだ。
メタプラネット株の年初来上昇率は6月に付けた高値まで一時5.5倍に達したが、その後56%下落。保有ビットコインの一時8倍となった時価総額も約2倍まで縮小した。2日午前の終値は前日比0.6%高の836円。
ドナルド・トランプ米大統領の息子で同社戦略アドバイザーを務めるエリック・トランプ氏は臨時総会で、ゲロヴィッチ社長と共に登壇した。エリック氏が支援する暗号資産プロジェクト「ワールド・リバティ・ファイナンシャル」が発行するトークン「WLFI」は、1日に取引を開始した。
Metaplanet shareholders have approved all 3 resolutions at today’s EGM:✅ Increase in Total Number of Authorized Shares✅ Virtual Shareholder Meetings
✅ New Provisions for Perpetual Preferred Shares pic.twitter.com/O7UY2lW5P0