全長5.1m! トヨタ「新型ランドクルーザー!?」に大注目! 7人乗り×史上初の「モノコックボディ」採用で「新たなフラッグシップ」登場か? 23年公開の「Se」コンセプトカーに期待
ランドクルーザーSeは、トヨタが長年展開している本格四輪駆動車「ランドクルーザー」ブランドのBEV(バッテリー電気自動車)コンセプトカーです。
ランドクルーザー(ランクル)シリーズの始まりは、1951年に登場した「トヨタBJ型」がルーツ。当時の警察予備隊への納入を目指して開発されましたが、その後は民間用へと舵を切り、新たな歩みを進めます。
それから70年以上にわたり、「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」として、世界的に見ても極めて高い信頼性や堅牢性、悪路走破性能が支持され、四輪駆動車の代表的なモデルへと成長しました。
現在販売中のモデルは、ブランドの旗艦モデルで豪華な「ランドクルーザー300」、シリーズの原点に立ち返った中核モデル「ランドクルーザー250」、1984年に登場し、実用を重視した「ランドクルーザー70」の3タイプです。
これらがあるなかで披露されたランドクルーザーSeは、ランドクルーザーを名乗りながら、これまでのシリーズとは全く違うモデルとなっています。
ボディサイズは全長5150mm×全幅1990mm×全高1705mm、ホイールベースは3050mm、乗車定員は7名です。
ランドクルーザー300(全長4985mm×全幅1980mm×全高1925mm)よりも大きく、いっぽう全高はやや低めになっており、エクステリアのデザインも、直線メインではあるものの、テールゲート周辺の処理や前後フェンダーの張り出しなどは緩やかな曲線です。
当時の説明も「スタイリッシュかつ高い上質感を兼ね備えたスタイリング」としており、次世代のランドクルーザーシリーズの旗艦モデルを示唆しているようにも見受けられます。
また、ランドクルーザーシリーズとしては初となる、BEVとなっていることも注目されます。
BEVのユニットに関する詳細なスペックなどは一切明かされていませんが、「市街地などのオンロード走行時、BEVならではの高い静粛性による快適な室内空間を醸成」するといい、あくまで快適性のためのBEVと捉えることもできます。
ただし、BEVのメリットもあり、モーターの高いレスポンスや最大トルクが即時発生するという点、四輪それぞれにモーターを搭載することで緻密な制御が可能になる点があります。
高度な電動四輪制御を組み合わせ、ランドクルーザーシリーズらしい悪路での脱出・走破性能にも期待したいところです。
さらに、ボディ構造もこれまでのランドクルーザーとは大きく異なっています。
これまでのランドクルーザーシリーズではラダーフレーム構造を採用しており、耐久性や堅牢性を確保していましたが、ランドクルーザーSeは乗用車のようなモノコック構造を採用。これについてもシリーズ初となります。
ラダーフレームは悪路走行時に地面と接触してもダメージを受けないというメリットがありますが、その反面、非常に重くなることや、重心が高くなりハンドリング性に欠けること、ねじり力に弱いというデメリットがあります。
ランドクルーザーSeはBEVとなったことで、大きく重いバッテリーを搭載する必要があることから、さらなる重量増を防ぐためにモノコックボディを採用したのです。
伝統のラダーフレームを廃したことで強度を指摘する意見もありますが、一部のBEVではバッテリーの一部をボディ構造として用い、ボディ全体の剛性アップにつなげている例もあるほか、本格四輪駆動車の代表モデルとして知られるランドローバー「ディフェンダー」(現行型)や三菱「パジェロ」(3・4代目)もモノコック構造であり、悪路走破性は犠牲になっていません。
当時の説明も「モノコックボディで意のままに操るハンドリングとラフロード(荒れた道)を安心して滑走できる走破性を追求」としており、ランドクルーザーらしい走行性能はそのまま残るでしょう。
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次世代のランドクルーザーを示唆するモデルとして公開されたランドクルーザーSe。コンセプトカーであるにも関わらず、具体的な車名が公表されたことも相まって、当時のJMS2023会場を大いに湧かせた1台でした。
登場からまもなく2年が経過しようとするなか、現在のところは具体的な商品化計画などは何もアナウンスはなく、発売するかどうかにもついても未定です。
とはいえ、トヨタの電動化戦略は着実に進んでおり、ランドクルーザーの“レクサス版”ともいえるレクサス「LX」には、信頼性と耐久性を追求した史上初のパラレルハイブリッドを搭載。
いずれ完全電動となるランドクルーザーSeが登場しても、不思議ではありません。
2025年10月開催のJMS2025においては、さらに市販化の現実味が増したモデルが披露されるかもしれません。続報に期待です。