文春・新潮・ポストから一斉砲火を浴びれば…甲子園辞退の広陵、監督が退任 花田紀凱 花田紀凱の週刊誌ウォッチング(1041)
<高山氏と編集部で協議の結果、本コラムは今回で終了することになりました。長年のご愛読ありがとうございました(編集部)>
『週刊新潮』(8月28日秋初月増大号)の活版最終ページ、欄外のたった2行のお断り。これで、24年間続いた同誌の名物コラム、高山正之さんの「変見自在」が突然、終わってしまった。
同誌7月31日号の同欄で高山さんが<日本人を装って日本を貶(おとし)める外人>を批判、<はっきり外人名で語るべきではないか>と書いた。
それが、一部の逆鱗に触れ、朝日(8月11日)、毎日(8月14日)などが社説で批判。日本ペンクラブが「排外的言論の横行を懸念」と緊急声明を出す事態に。
で、高山さんと『週刊新潮』編集部が話し合いの結果、今号で打ち切りになったという。「反論掲載」などもっと別な形もあったのでは。
残念だ。
『週刊文春』(8月28日号)「広陵元野球部員が告発『私は先輩の暴行で右半身麻痺になった』」
『週刊新潮』「広陵高校『中井王国』の光と影」
『週刊ポスト』(8・29/9・5)「広陵野球部監督中井哲之氏は『部員の暴力もみ消し常習犯』だった」
夏の甲子園は終わったが、これだけ一斉砲火を浴びれば、中井監督、辞任せざるを得なかっただろう。
高校野球でそれより問題は富山代表「未来高校富山」の問題だ。
全生徒24人。うち23人が野球部員(残る1人は4年生の元野球部員)。1人以外は県外出身者。学校にグラウンドもなければ応援団もいない。
母体は松山市にある広域通信制の未来高等学校。同校が全国に「学習センター」を設けており、未来富山はその一校なのだ。
こんなことを許せば、出場校の少ない県に「学習センター」をつくり、野球部員を送り込めば、代表になれる可能性が高い。
このことを取り上げたのは『週刊新潮』(8月7日号)のみ。朝日新聞は、なぜ問題にしないのか。
『ニューズウィーク日本版』(8・26)大特集「台湾有事」18ページは今こそ読むべき特集だ。
(月刊『Hanada』編集長)