アメリカ、イランによるホルムズ海峡封鎖の阻止を中国に要請(BBC News)

アメリカのマルコ・ルビオ国務長官は22日、世界で最も重要な海路の一つであるホルムズ海峡をイランに封鎖させないよう、中国に対応を呼びかけた。 ホルムズ海峡をめぐっては、イランの議会が封鎖計画を承認したと、同国国営のプレスTVが報じている。ただし、最終決定権は国家安全保障最高評議会にあると伝えている。 石油の輸送路が封鎖され、供給が途絶えれば、経済に深刻な影響が及ぶとみられる。とりわけ中国は、イランの石油の世界最大の買い手で、同国との関係も密接なことから、影響は大きいと考えられる。 アメリカがイランの核関連施設を攻撃したことで、原油価格は急騰している。指標となるブレント原油価格は、過去5カ月で最高値となっている。 原油価格は、ガソリン代や食料品の価格など、あらゆるものに影響を与える。 ■中国は封鎖の影響が大きいとルビオ長官 ルビオ氏は22日の米FOXニュースのインタビューで、「北京の中国政府に対し、それ(海峡封鎖)についてあちら(イラン)に電話するよう促す。(中国は)石油をホルムズ海峡に大きく依存しているからだ」と話した。 また、イランによるホルムズ海峡の封鎖は「経済的な自殺行為」になると主張。「私たち(アメリカ)は対応策があるが、他の国々も気になるだろう。他国の経済は、私たちよりはるかに悪化するだろう」とした。 ホルムズ海峡は、世界の石油の約20%が通過している。中東の主要な石油・ガス生産国は、この海路を使ってエネルギーを他の地域に運んでいる。 中国は、他のどの国よりも多く、イランから石油を購入している。船舶追跡会社ヴォルテクサのデータでは、中国がイランから輸入した石油の量は先月、1日当たり180万バレルを超えた。 インド、日本、韓国などアジアの主要国も、ホルムズ海峡を通過する原油に大きく依存している。 エネルギーアナリストのヴァンダナ・ハリ氏は、イランが同海峡を封鎖することで「得るものはほとんどなく、失うものが多すぎる」と分析している。 「イランはホルムズ海峡の交通を妨害することで、石油やガスを生産している近隣の湾岸諸国を敵に回し、主要市場である中国の怒りを買う恐れがある」と、ハリ氏はBBCニュースに話した。 アメリカは21日、イランとイスラエルの紛争に加わり、テヘランの主要核関連施設を爆撃した。 ドナルド・トランプ米大統領は、それらの施設は「抹消された」と宣言。22日には、自らのソーシャルメディアで「なぜイランに体制転換があってはならないのか? ? ?  イランを再び偉大にしろ!! !」と書いた。 一方、中国は23日、アメリカの攻撃はトランプ政権の信用を損なったとし、即時停戦を求めた。 中国の傅聡国連大使は、すべての当事者が「武力行動の衝動と(中略)火に油を注ぐ行動」を抑えるべきだと述べたと、国営の中国中央電視台(CCTV)は伝えた。 中国の国営紙「環球時報」も、アメリカのイランへの関与は「中東情勢をさらに複雑にし、不安定化させた」とし、現地の紛争を「制御不能な状態」へと追い込んでいると報じた。 (英語記事 US asks China to stop Iran from closing Strait of Hormuz)

(c) BBC News

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