グーグル「AIによる概要」がSEOとニュースを殺す──検索されても、クリックされない(Forbes JAPAN)

グーグルは、かつて米国で栄華を誇り衰退したレンタルビデオチェーンのBlockbusterではなく、Netflixのようになろうとしている。つまり、既存のビジネスモデルに固執して時代に取り残されるのではなく、新技術を活用して変革を遂げようとしているのだ。しかし、この単純な方向転換はウェブを破壊しているのだろうか。それよりもむしろ、伝統的な出版社を持続不可能な立場に追い込んでいるのではないか。 ■「グーグル黙示録」(Google apocalypse) ここ数日、従来のグーグル検索、つまりキーワードを入力し「検索結果ページ」(SERP)から目的の情報を探す方式のさらなる衰退についての報道が相次いでいる。 この点については、AIツール開発競争の狂乱の中でグーグルが自らの基幹事業であるキーワード検索を危うくしているという警告が以前から出ていた。だが今や「グーグル黙示録」(Google apocalypse)という言葉が新たに登場し、何百万人ものユーザーと企業のゲームルールを一変させる臨界点に達していることを示している。 「AIが生成した要約が検索結果に統合されるようになった今、情報を探している人が、その情報の出所であるウェブサイトにクリックして移動する理由は少なくなっています」と、クラウディア・ヤズヴィンスカは『コロンビア・ジャーナリズム・レビュー』で書き、ピュー研究所(Pew Research Center)などの推計値を引用した上で述べた。「広告収入を得るために紹介トラフィックに依存するメディア出版社にとって、この変化は壊滅的としか言いようがありません」。 他の媒体もこの話題を取り上げている。公共ラジオ局のNPRでさえ関連記事を掲載しているが、同局自身もある意味で窮地に立たされている。どの記事も、新しいAI時代にはこれまでの手法に頼れなくなるというメッセージを強く発信している。 ■何が起こっているのか? 変化を理解する方法は2つある この大きな変化を理解するには2つの方法がある。ピュー研究所(Pew Research Center)などが公表した数字を見るか、自分で試してみるかだ。 グーグルで検索語を入力すると、ページの最上部に平易な英語で書かれた「AIによる概要(AI Overviews)」が表示される。質問形式で入力すれば、その答えはウェブページを開いた際に、スクロールせずに表示される領域(above the fold)に示される。そうなれば、なぜわざわざSERPをクリックして閲覧する必要があるのだろうか。 つい最近、私はこの問題の別の側面、数十億ドル(数千億円)規模の検索エンジン最適化(SEO)ビジネスが生成エンジン最適化(GEO)へと移行しつつあることについても書いた。生成系AIツールがキーワード検索を殺している以上、SEO業務の価値も低下し、キーワード調査などに投資してきた企業にとっては壊滅的な影響が出ている。 この変化が最も深刻に表れているのがニュースメディアである。

Forbes JAPAN
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