【カーリング】吉村涙…フォルティウスが日本代表権獲得!わずか数センチの決着に騒然 近江谷「執念で…」

 ◇カーリング・日本代表決定戦最終日 女子決定戦最終戦 フォルティウス 6―5 SC軽井沢クラブ(2025年9月14日 北海道・稚内市みどりスポーツパーク) 【写真】決定戦でプレーするフォルティウスの吉村(左)と小野寺  26年ミラノ・コルティナ冬季五輪に向けたカーリングの日本代表決定戦女子最終戦が14日に行われ、1次リーグ(L)2位のフォルティウスは6―5で同1位のSC軽井沢クラブに勝利し、代表の座をつかんだ。一騎打ちだった前回大会でロコ・ソラーレに逆転負けし、代表を逃してから4年。今度は開幕2連敗の崖っ縁に追い込まれながら、そこから勝ち取るリベンジを果たした。12月にカナダで行われる最終予選で五輪出場を狙う。  4年前の忘れものを取りにきた。フォルティウスがやっとつかんだ代表の座。夢の五輪へ、その一つ目の扉をこじあけた。  第2エンドで1点を奪うと、相手スキップ上野美優のスーパーショットで第3エンドで2点を奪われる。ポイントは第4、5エンドだった。ブランクエンドで後攻のまま迎えた第5エンドに3点のビッグエンド。終始ゲームを支配したのはフォルティウスだった。  そして5―5で迎えた第10エンド。ギリギリのショットが求められるラストショットで吉村がこん身の一投。仲間たちが「お願い!お願い…」と祈る中で、わずか数センチの差で勝利をつかみ取った。  結果が出た瞬間、雄叫びを上げて両腕を突き上げた吉村。仲間と抱き合うと涙がこぼれた。試合後のインタビューで近江谷は「執念で勝ち取りました」と笑顔で語った。  目を赤く染めた吉村は、インタビューでは笑顔がはじけた。しびれるラスト一投を「強い気持ちで」と振り返り「うれしいです!はいっ!うれしいです」と素直な思いがあふれた。  1次リーグ、決勝ともに崖っ縁からはい上がった。今年の日本選手権覇者が開幕からまさかの2連敗。次に負ければ敗退が決まる状況から、2連勝を飾ってプレーオフへと進み、そこでライバルのロコ・ソラーレを下して決勝進出。1勝ずつで迎えた3戦先勝の決勝でも初戦で敗れるも、そこからこの日に2つの白星をもぎ取ってみせた。  4年前、この稚内のアイスで流した涙を忘れていない。「北海道銀行フォルティウス」として臨んだ21年の前回大会。ロコ・ソラーレとの一騎打ちで、2連勝後に3連敗を喫した。北京五輪を逃すと、同年11月には、新たに部を立ち上げることになる北海道銀行とのスポンサー契約が打ち切られ、フォルティウスは岐路に立たされた。選手は約7カ月、貯金を切り崩して生活。海外遠征費はクラウドファンディングで集めた。  吉村紗也香、小野寺佳歩と同学年で幼なじみのロコ・ソラーレの吉田知那美はこう言った。「もし自分が紗也や佳歩だったら、もう1度立ち上がってこの舞台に挑もうって思えたかな。やっぱりそれって本当に凄いこと。私が思う本当に強い選手は、勝ち続ける選手じゃなくて、ああいうふうに負けたところから這いつくばって上がってくる選手」。一からのリスタートでも、決して夢を諦めなかった。そして、つかんだ代表の座だった。  もちろん、ここがゴールではない。今年の日本選手権覇者として挑んだ3月の世界選手権(韓国)では、五輪出場枠を獲得できなかった。23年12月に第1子となる長男を出産し、復帰したスキップ吉村にとっては、10年バンクーバー大会から数えて5度目の挑戦。日本代表として臨む最終予選で、今度こそ、五輪への扉をこじ開けてみせる。  ▼五輪への道 カーリングのミラノ・コルティナ冬季五輪最終予選は12月5日からカナダのケロウナで開催される。4人制は男女ともに8チームが参加し残り2枠の五輪切符を争う。総当たりの1次リーグを経て、上位2チームによる決定戦で1枠目が決定。敗者は3位チームと最後の1枠を懸けて対戦する。日本は出場枠を確保すれば、そのチームが五輪代表に決定する。

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