ネタニヤフ首相、反戦デモの国民を非難「永遠の戦争につながる行為」

Galit Altstein、Dan Williams

イスラエルでは17日、パレスチナ人自治区ガザ全域の制圧を計画するネタニヤフ首相に対する抗議のデモが起きた。住民は残る人質の解放と戦争終結につながる交渉を求めて、街頭に繰り出した。

  ネタニヤフ首相はこうした抗議活動がイスラム組織ハマスを勢いづけるとの考えを示唆。道路を封鎖し、エルサレムの連絡トンネルで座り込むデモ隊に、警察は放水砲などで鎮圧し、少なくとも30人を逮捕した。

  もうすぐ2年を迎える戦闘でイスラエルは国際社会で孤立し、パレスチナ自治区の大半は廃墟と化した。ネタニヤフ政権は今月、ガザ市制圧とハマスせん滅を目指した攻撃を軍に命じた。

  現時点で戦車などの地上部隊展開は確認されていないが、計画されている作戦では不十分との不満がイスラエル治安閣議で聞かれた。同時に政府特使らは停戦と人質解放に向けた交渉を再開する構えで、ハマスに譲歩を迫っている。現時点でハマス側にそうした示唆は見られない。

  ハマスは2023年10月7日の奇襲で多数のイスラエル人を殺害、人質に取った。これを機に始まった戦争に対し、イスラエル国内では当初の揺るぎない支持はとうに消えている。世論調査ではハマスせん滅を待たずに人質50人を取り戻す合意を、国民の大半が望んでいる。生存しているとみられる人質20人は、処刑される危険に面しているほか、イスラエルとの交戦に巻き込まれるリスクがある。

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  ネタニヤフ首相は17日、「ハマスを打ち倒さずに戦争を終わらせることを訴える人々は、ハマスの姿勢を硬化させるだけでなく、人質解放の可能性を低下させる」と非難。「さらには10月7日の恐怖が繰り返され、われわれの息子や娘たちが永遠の戦争で戦わなくてはならないように仕向ける行為だ」と続けた。

原題:Netanyahu Slams Anti-War Protests as Gaza City Conquest Looms(抜粋)

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