『シャドウバース ワールズビヨンド』、Steamだけで同接「6万人」超えのロケットスタート。一方“毎日1パック配布”による変化には賛否も
Cygamesは6月17日、『Shadowverse: Worlds Beyond(シャドウバース ワールズビヨンド)』のサービスを開始した。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア)/iOS/Androidで、基本プレイ料金は無料だ。本作はリリースを迎えてまもなく多くのユーザーが集う盛況を記録している。
『シャドウバース ワールズビヨンド』は、『Shadowverse(シャドウバース)』の完全続編となるカードゲームだ。『シャドウバース』の基本的なルールはそのままで、新要素などを追加されている。オリジナルの『シャドウバース』は、Cygamesより2016年に配信開始されたタイトルで、アップデートによる新カードの追加などを経て、8年以上に渡って展開されてきた。2023年には累計3000万ダウンロードを突破。PC/スマホ向けゲームとしてだけでなく、リアルカードゲーム版やTVアニメ、アニメの世界を舞台としたゲームなども制作されてきた。
『シャドウバース ワールズビヨンド』では、新システム「超進化」が登場。超進化では、「フォロワー」と呼ばれる、モンスターやキャラクターにあたるカードを、後攻の6ターン目以降にパワーアップさせることができる。具体的にはフォロワーの体力/攻撃力が3増加する。加えて即時攻撃可能効果の「突進」を持ち、相手のフォロワーを倒すと、相手のリーダー(プレイヤー)に対して1ダメージを与える。『シャドウバース』でも進化システムは存在していたが、リーダーへの追加ダメージや、進化時ステータス上昇量が1ずつ多くなっている、という点などが特徴だ。
また機能面としては「シャドバパーク」が実装。ユーザーが作成したアバターで交流できるロビーとして実装されており、対戦台を使ってカードバトルが可能。またチャットを利用したコミュニケーションを楽しんだり、サッカーなどのミニゲームで遊ぶこともできる。
そんな本作には、さっそく多くのユーザーが集まっているようだ。SteamDBによれば、本稿執筆時点でSteam版には実に6万4000人以上のプレイヤーが集っており、盛況を博している様子がうかがえる。Epic Games経由やモバイルでプレイしているユーザーの数も鑑みると、さらに多くのプレイヤーが本作を遊んでいることだろう。
なおすでにSteamストアページでは約500件のレビューが寄せられているが、評価としては好評率44%で「賛否両論」のステータスとなっている。このなかでは先述した新システムの登場、クラス刷新などといった各種リニューアル要素については一定の評価を受けている。
ただ課金周りの仕様の変化は、不評の主な要因となっていることが見受けられる。『シャドウバース ワールズビヨンド』になるにあたっては、無料パックが毎日1回入手可能になった。一方で1パックの価格がゲーム内通貨100ルピから500ルピへと上昇。ルピはゲーム内で定められたタスクなどを達成すると獲得できる通貨ではあるが、無償で得たルピによってカードを引けるチャンスは減ったといえる。
またカード分解については、前作では特に制限がなく、たとえばデッキのカードを一気に分解して得たレッドエーテルで、新たなデッキを組みなおすといったことも可能であった。一方本作では重複したカードの4枚目以降しか分解できないように。特にサービス開始直後で各ユーザーが所有カードの乏しい現状では、デッキを気軽には変えにくい点に不満が生じている。
とはいえカード分解については、『シャドウバース』プロデューサーを務める木村唯人氏が、今年3月の最新情報公開生放送にてその狙いを述べていた。前作『シャドウバース』ではカードを無制限に分解できることから、ユーザーが所持しているデッキが特定クラスのものに偏り、ほかのクラスで遊びにくいことが問題視されていたそうだ。そのため、さまざまなクラスのカードを所持してほしいという思惑もあり、新たに分解の条件が設けられたという。
また代わりに『シャドウバース ワールズビヨンド』では、先述した毎日1パック配布のほか、新弾リリースごとに10パックが貰えるミッションの開催、10パック購入ごとにレジェンドカード確定などといった施策が用意。運営型の対戦ゲームとして、ユーザーに長い付き合いをしてもらいたい方針もあるのだろう。とはいえリリース直後の本稿執筆時点では不評の要因になっており、長期的に運営されるなかでどのように受け入れられていくのかは注目される。
『Shadowverse: Worlds Beyond(シャドウバース ワールズビヨンド)』はPC(Steam/Epic Gamesストア)/iOS/Android向けに基本プレイ無料で配信中だ。