G7、ウクライナ巡る共同声明見送り 米が抵抗 加は追加支援表明
[カナナスキス(加アルバータ州) 17日 ロイター] - 主要7カ国(G7)首脳会議は17日、2日間の日程を終えて閉幕した。ウクライナ支援に関する共同声明は見送った。議長国カナダのカーニー首相は代わりに、制裁を通じロシアへの圧力を強化し、米国主導の和平努力を支持する内容の声明を発出した。
カーニー氏はこの日、カナダがウクライナに20億カナダドル(14億7000万米ドル)の新たな軍事支援を提供すると表明。ロシアに新たな金融制裁を科す方針も示した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は同日、G7サミットに参加し、対ロシア戦争を巡る一段の支援を強く要請した。
同氏はテレグラムへの投稿で、G7首脳に対し「外交は今や危機的な状況にある」と伝え、紛争の終結に向け「真の影響力を発揮するよう」トランプ米大統領に引き続き働きかけるよう要請したと明らかにした。
追加支援を巡りトランプ氏と会談することを望んでいたものの、同氏が16日、中東情勢を理由にG7サミットの日程を切り上げて帰国したため、会談は実現しなかった。
カーニー氏はサミット閉幕後、議長総括を発表した。「G7首脳はウクライナにおける公正かつ永続的な平和の実現に向けたトランプ大統領の取り組みに支持を表明した」としている。また「ウクライナが無条件停戦にコミットしたことを確認し、ロシアも同様の対応を取らなければならないことで一致した。G7首脳はロシアへの圧力を最大限に強化するため、金融制裁を含むあらゆる選択肢を検討する決意だ」と表明した。
ある欧州当局者は、各国首脳がロシアに強硬な姿勢を取る計画をトランプ氏に強調し、同氏もそれに感銘を受けたようだと述べた。ただ、トランプ氏は原則として制裁に賛成していないという。
複数の欧州外交筋は、ロシアのプーチン大統領に対する圧力を強め、グラム米上院議員が起草した制裁法案を検討したいとのシグナルをトランプ氏から受けたが、確約は得られなかったとした。
ドイツのメルツ首相は「ロシアに追加制裁を科す決定が米国でも数日中になされるだろうという慎重ながらも楽観的な見通しを持って帰国する」と語った。
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