韓国大統領、対米投資強調 ハンファグループ所有の造船所訪問
[フィラデルフィア/ソウル 26日 ロイター] - 米国を訪れている韓国の李在明大統領は26日に韓国のハンファグループが所有する造船所を訪れ、対米投資計画を強調した。
米プロジェクトに3500億ドルを投入するという約束の下、造船は最も具体的な投資分野の一つとして浮上しており、1500億ドルがこの分野に割り当てられている。
李氏は造船所で演説し、「私がトランプ大統領に提案した、米造船業を再び偉大にするというプロジェクトは単に巨大な軍艦や最新鋭の船舶を建造することではない。失われた夢を取り戻す壮大なビジョンだ」と述べた。
トランプ米大統領は造船業を活性化させたいと述べている。
昨年この施設を買収したハンファは同日、50億ドルを投じて、2つの追加ドックと3つの岸壁を設置し、年間2隻未満だった生産を最大20隻まで拡大する計画を発表した。
ペンシルベニア州のシャピロ知事(民主党)は造船所の視察後、記者団に対し、トランプ大統領の関税政策が韓国企業を苦しめ、米消費者物価を押し上げていると指摘。「われわれは経済を成長させ、あらゆる産業で韓国からの投資をさらに呼び込みたい」と語った。
韓国は7月の関税交渉で「米造船業を再び偉大に」と題したパッケージを提示した。米造船所の近代化支援などを目的としたもので、韓国当局者はこれが貿易協定締結に役立ったとしている。
トランプ氏は25日の李氏との会談で、「われわれは再び造船事業に参入するつもりだ」と述べた。
ただ、専門家、業界関係者、韓国政府当局者によると、そこに至るまでには多くの作業が必要という。
現地の労働者の育成には4─5年かかる可能性があり、造船所での困難な作業に意欲的な人材を見つけるのは難しいと、韓国の業界関係者はロイターに語った。
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