脱・事なかれ外交 高市早苗首相に「中国にNOと言える手強い総理」の評価 花田紀凱 花田紀凱の週刊誌ウォッチング(1052)

日中首脳会談を前に中国の習近平国家主席(右)と握手を交わす高市首相=31日、韓国・慶州(代表撮影・共同)

高市早苗首相のスタートダッシュ、大成功と言うべきだろう。特に外交。米国のトランプ大統領、中国の習近平国家主席に一歩も引けを取らなかったのはさすがだ。

『週刊ポスト』(11・21)、「高市首相が習近平国家主席に仕掛けた『中国にNOと言えるニッポン』」。

高市首相、日中首脳会談の前に台湾の林信義・総統府資政と挨拶を交わし、その夜、<自身のXには習主席との首脳会談の写真より先に《APEC首脳会談前に、控室で台湾の林信義総統府資政と挨拶を交わしました》と林氏との写真をアップ>。

峯村健司氏(キヤノングローバル戦略研究所上席研究員)は「中国に喧嘩(けんか)を売ったようなもの」と指摘。<「習氏にすれば、〝首脳会談直後にオレのメンツを潰しやがって〟とはらわたが煮えくり返っているはずです」>。

しかも、<この中国への〝奇襲攻撃〟は高市首相本人があえて強行したものだという>。

首脳会談の席で高市首相が、尖閣諸島周辺での中国の活動、レアアースの輸出規制、不当な日本人拘束などに言及したのは既に報じられている。

<「中国側に従来の事なかれ主義の外交とは違う、NOと言える手強い総理だという印象を与えたのは間違いない」(日中外交筋)>

『週刊新潮』(11月13日号)、「内閣支持率は驚異の80% 高市現象の正体」。

日頃、意地悪な『新潮』も高市首相愛用のペンやバッグまでバカ売れという高市氏人気にケチのつけようがないようだ。

<「最初のハードルとなった日米首脳会談について、外務省幹部からは〝ホームランだった〟とする賛辞の声が上がっています」(政治部デスク)>

哀れを極めるのは石破茂前首相。

<「どの政権でもそうでさ、期待値と実績は違う。国民にウケることだけが、必ずしも国のためになるとは限らないのでね…」>とボヤいたという。

期待も実績もなかったのは誰?

『週刊文春』(11・13)、「高市内閣を精密検査!」は「林芳正総務相の運動員買収を告発する」「城内実経財相が事務所家賃720万円を自分に還流させていた」など4本を並べたが、総じて不発気味だ。

(月刊『Hanada』編集長)

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