トランプ政権の対外援助凍結、米連邦高裁が容認-地裁の判断を覆す

Zoe Tillman

  • 今回の申し立ては有効な法的根拠を欠くとヘンダーソン高裁判事
  • 最高裁は3月、資金の速やかな支払いを求めた地裁の命令を支持した

ワシントンの米連邦高裁は13日、議会が承認した今年度の対外援助数十億ドル相当について、トランプ政権による資金拠出の凍結を認める判断を示した。

  判事3人のうち2人が賛成し、バイデン前大統領が指名したフローレンス・パン判事が反対意見を示した。議会が承認した資金拠出の凍結は、憲法が定める三権分立の原則に違反するとした連邦地裁の判断が覆された。

  高裁の判断は、米国際開発局(USAID)を解体し、対外援助プログラムへの資金拠出を広く停止するトランプ政権の取り組みにとって大きな勝利と言える。一方、政権の動きは大統領権限の逸脱との批判もある。

  凍結の差し止めを求めていたNPOや企業は、連邦高裁の現役裁判官全員に再審理を求める可能性がある。

  カレン・ルクラフト・ヘンダーソン判事は、米会計検査院(GAO)を統括する会計検査院長は、特定の法律に基づき提訴することが可能だが、今回の申し立ては有効な法的根拠を欠くと指摘した。

  ホワイトハウスのケリー報道官は声明で、連邦高裁は「全ての対外援助が米国第一主義の方針に確実に合致するということも含め、トランプ大統領が自らの外交政策を実行する行政権限を有することを確認した」とコメントした。

  トランプ政権は今年3月、対外援助への資金凍結を巡り敗北を喫した。連邦最高裁は、資金の速やかな支払い求めた連邦地裁の命令を支持し、政権の申し立てを退けていた。

関連記事:米最高裁、トランプ政権の主張認めず-対外援助の資金凍結巡り

原題:Court Lets Trump Block Billions of Dollars in Foreign Aid (2)(抜粋)

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