FOMC利下げに支持表明、ハセット氏「さらなる金利低下への第一歩」

ハセット米国家経済会議(NEC)委員長は18日、連邦公開市場委員会(FOMC)による前日の25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利下げ決定に支持を表明した。トランプ大統領や同氏の側近らはより大幅な利下げを求めていた。

  ハセット氏は経済専門局CNBCとのインタビューで、「全てのモデルを精査し、多様な意見を踏まえ、米経済にどう対応していくのか決めることが、FOMCにとってはより一層賢明だ。インフレが目標を上回っているものの減速しつつある中、米経済は力強さを見せている」と発言。「今回の決定は双方に配慮した判断だった。極めて妥当な選択だったと思う」と述べた。

  FOMCは16、17両日に開いた定例会合で、主要政策金利を0.25ポイント引き下げることを決定した。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長はリスクのバランスが変化したとし、「雇用創出の水準が大幅に低下し、労働市場の軟化を示す他の兆候」がここ数週間のデータで明らかになったと説明した。

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  決定に反対票を投じたのは新しく就任したマイラン理事のみで、より大幅な0.5ポイントの利下げを主張した。しかしパウエル氏は、その規模の利下げを「支持する意見は全く広がっていなかった」と話した。

  「私の同僚であるマイラン氏は50bpの利下げを望んでいたが、25bpでかなり幅広いコンセンサスが得られている」とハセット氏は指摘。「さらなる金利低下への正しい方向に進む適切な第一歩だ」と続けた。

  トランプ氏はこれまで、FOMCに約3ポイントの大幅利下げを求めており、今回の会合前にも「大幅な利下げが実施されるだろう」と述べていた。

「真摯」な反対票

  ハセット氏は、ミラン氏の分析について「真摯(しんし)なものであり、ホワイトハウスからの党派的な影響に左右されたものではない」と主張。ミラン氏について「独立したFRB理事になるだろう」とも語った。

  ハセット氏はパウエル議長の後任としてトランプ氏が最近挙げた最終候補の1人だ。ただし、現在の仕事に注力していると述べるにとどめ、大統領がFRB議長人事をいつ発表するのかについてはコメントを控えた。

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原題:Hassett Offers Endorsement of Fed Rate Cut, Says It’s a Start(抜粋)

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