グーグル担当者が方針を明言(ZDNET Japan)

 Googleは9月、「Android」デバイスにおけるアプリの「サイドローディング」に関するルール変更を発表した。サイドローディングとは、「Google Play」ストアを経由せず、未確認の開発者からアプリを直接インストールする方法である。今回の変更により、同社はAndroid認定デバイスにおいて、開発者の本人確認を必須とする方針を打ち出した。  この新しいルールに対して、一部のAndroidユーザーからは予想通り懸念の声が上がっている。アプリの選択肢が制限されるのではないかという不安や、プライバシー保護ツール、政治的なアプリ、セキュリティソフトなどを開発する人々の実名がひも付けられることで、開発者が危険にさらされる可能性があるという指摘もある。  この変更は、端的に言えば「サイドローディングは終わった、しかし新しい形で続く」といった性質のものである。基本的な仕組みは残るが、ルールが変わるということだ。  先日、Androidアプリの安全性を担当するプロダクトマネジメントディレクターのMatthew Forsythe氏がブログ記事でこの点をあらためて説明した。記事はFAQ形式で構成されており、最も多く寄せられた質問は「この変更でAndroidからサイドローディングがなくなるのか?」というものだった。  その答えは、予想通りの内容だった。Forsythe氏はまず「絶対にそんなことはない」と明言している。「サイドローディングはAndroidの根幹をなすものであり、なくなることはない。今回の新しい開発者本人確認の要件は、ユーザーと開発者を悪意ある第三者から守るためのものであり、選択肢を制限するためのものではない。ユーザーがアプリをダウンロードする際、それが本当にその開発者によって公開されたものであることを確認できるようにしたいと考えている。どこからアプリを入手するかに関係なく、その確認が重要だ」  結論として、今後もサイドローディングは可能である。ただし、開発者によってデジタル署名されたアプリのみが対象となる。署名がなければ、サイドローディングはできない。  さらに、その開発者が不正行為を行っていたことが発覚した場合、その証明書は取り消され、その開発者の全てのアプリが機能しなくなる。この措置は、セキュリティの観点から実施されるものである。  Googleはこの方針を裏付けるデータも提示しており、インターネット経由でサイドローディングされたアプリには、Google Playで提供されているアプリよりも50倍多くのマルウェアが含まれていると主張している。  ただし、この変更によって、Googleが好まないアプリ、例えば「YouTube Premium」の機能を無料で使えるようにする「Revanced」のようなサイドローディングアプリが永久に利用不可となる可能性もある。もしそうなれば、この変更は「選択肢を制限する」方向に踏み込むことになるだろう。  とはいえ、Androidユーザーの大多数はこの変更によって何も違いを感じないはずだ。唯一の違いは、怪しげなウェブサイトの広告からマルウェアまがいのアプリをインストールできなくなることくらいである。そしてGoogleは、まさにそこに期待しているのである。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan
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