中国株が午後に急落、2日目の対米通商協議巡る臆測に反応か

Bloomberg News

  • H株とCSI300指数、午前の堅調から一転-午後に下落
  • 「市場は神経質になり過ぎている」と市場関係者、交渉難航の臆測も

10日午後の取引で、中国株が急落した。2日目の米中通商協議を前に、投資家が神経質になっている様子だ。

  香港上場の中国本土銘柄から成るハンセン中国企業株(H株)指数は午後の取引に入って売りに押され、一時0.9%安まで下落。終値は0.2%安となった。午前中は一時0.5%高を付けるなど、堅調に推移していた。

  中国本土株のCSI300指数も午後に下げに転じ、0.5%安で引けた。米国株先物も日中高値から後退した。

  この急落は何が原因なのか、すぐには判然としない。一部の投資家は、中国中央テレビ(CCTV)系列のソーシャルメディアのアカウントに「米国はこれまでの展開を現実的に評価し、中国に対するネガティブな措置を取り下げるべきだ」との投稿があったことを指摘。この投稿では、中国は米国との交渉に真剣だが、原則は曲げないと主張している。

  Cheng Zhouインベストメントの投資ディレクター、フ・シーフォン氏は「市場は神経質になり過ぎている」との見解を示し、「交渉はうまく行かなかったとの臆測が出回っているようだ」と述べた。

関連記事:米中通商協議は10日も継続へ、「簡単な相手ではない」とトランプ氏

  通商協議で米中の緊張緩和が後押しされ、合意への道が開けるとの期待から、中国株は過去数週間に急反発を遂げてきた。H株は9日、4月7日の安値からの上昇率が20%を超え、強気相場入りした。

  世界の投資家の中国に対するセンチメントは改善しつつあり、中国株を買い増す意欲が見られていると、ローラ・ワン氏らモルガン・スタンレーのアナリストが最近のリポートで論じた。

原題:Chinese Stocks Drop Suddenly as Investors Await US Trade Talks(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE

関連記事: