Hyperliquidの大口投資家、トランプ一族との関与を否定 再びビットコインを大規模ショート
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ブロックチェーン分析企業Arkhamの13日の追跡によると、トランプ関税ショックの直前に大規模なショートで莫大な利益を稼ぎ出した大口投資家が、再び3億4000万ドル規模のビットコインショートポジションを保有していることが明らかになった。
この投資家は金曜日の市場急落の直前、ビットコイン7億ドル分とイーサリアム3億5000万ドル分をショートし、合計約2億ドルの利益を獲得したことで注目を集めた。
さらに直近では、取引プラットフォームHyperliquidに4000万ドルのUSDCを入金し、新たに1億2700万ドル相当のビットコインをショート。これにより、ビットコインの売りポジションは3億ドルまで拡大し、含み益は500万ドルに達している。
BREAKING: TRUMP INSIDER WHALE IS NOW SHORT $340M $BTC
The HyperUnit Bear Whale who shorted $700M of $BTC and $350M of $ETH right before Friday’s market crash (making ~$200M total) just deposited $40M USDC to HL and shorted another $127M $BTC.
He is now short $300M $BTC and has… pic.twitter.com/b2rpzmkofZ
この大口投資家は、トランプ大統領が先週金曜日の夜に中国からの輸入品に対する100%関税を発表する直前にビットコインとイーサリアムを大量ショートしたことから、タイミング的にインサイダー情報を事前に入手していたのではないかとの疑惑が浮上している。
先週日曜日、匿名のオンチェーン調査アカウント「Eyeonchains」が、この取引を実行したのは破綻した取引所BitForexの元CEOであるGarrett Jinだとするデータを投稿した。ウォレットアドレスなどの証拠に加え、この長文投稿にはJin氏の学歴や職歴といった詳細な個人情報も含まれていた。
その後、仮想通貨業界で最も著名な人物の一人であるバイナンス共同創業者のChangpeng Zhao氏(通称CZ)が、Jin氏についてのEyeonchainsの投稿をリツイート。CZ氏は「真偽は不明。誰かクロスチェックしてほしい」とコメントした。
一方、他のアナリストらはこの関連性に懐疑的な見方を示している。オンチェーンアナリストのZachXBT氏は、証拠が不十分であり、Jin氏の友人である可能性の方が高いと指摘した。
月曜日の早朝、Jin氏は自らX(旧Twitter)に投稿し、インサイダー情報へのアクセスを否定した。「私はトランプ一族やドナルド・トランプ・ジュニア氏とは一切関係がない。これはインサイダー取引ではない」と述べた。
出典:Garrett Jin氏X投稿
また、Jin氏は疑惑が拡散して以降初の投稿で、「この資金は私のものではなく、顧客のものだ。我々はノードを運営し、顧客に独自の分析を提供している」とコメントした。
ほぼ同時の投稿で、同氏は「仮想通貨業界の深刻な問題は、取引所が本質的価値を持たない資産に高レバレッジを提供していることだ。こうした高レバレッジは本来、価値の裏付けがあり、ボラティリティが低く、銀行が流動性を提供する外国為替市場にのみ存在していた」と指摘した。
「トランプ・ショック」の金曜日
トランプ大統領は先週金曜日、中国からの米国向け輸出品に対する関税を100%に引き上げ、「あらゆる重要なソフトウェア」に対する輸出規制を課すと発表した。
これは、中国がハイテク製品やその他の製造業に不可欠なレアアースの輸出制限を発表したことへの報復措置である。
ロイター通信によると、この発表を受けて金曜日の仮想通貨市場では、パニック売りと流動性不足が急激な価格変動を引き起こし、レバレッジポジション全体で190億ドルを超える強制清算が発生した。
仮想通貨アナリストらは、これが市場史上24時間で最大の損失であり、2025年2月の暴落の9倍、2020年3月の大暴落や2022年11月のFTX破綻時の19倍の規模だと指摘している。
ビットコインは10月10日から11日にかけて、金曜日の高値から14%以上下落し約10万4700ドルの安値をつけた。イーサリアムも12.2%下落し約3400ドルの安値を記録した。
こうした大規模な市場変動を背景に、インサイダー取引の有無がソーシャルメディア上で活発に議論されるテーマとなっている。
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エックスアールピー(XRP)は、リップル社等が開発に参加するオープンソースの分散型ブロックチェーン「XRP Ledger(XRPL)」の暗号資産(仮想通貨)。
2011年から2012年初頭にかけて、ジェド・マケーレブ(リップル社の共同創業者)、デイビッド・シュワルツ(同社CTO)が独自のコンセンサスアルゴリズム「Ripple Protocol Consensus(現XRP Ledger Consensus Protocol)」を開発し、2012年にメインネットが起動。
決済に特化した通貨として設計され、高速かつ低コストのトランザクションを実現し、高度なスケーラビリティを有す。米リップル社が開発する国際送金ソリューション「Ripple Payments」をはじめとする、様々なユースケースが構築されている。
価格
- 現在価格(2025年8月11日時点): 3.26ドル(約482円)
- 年初来高値(2025年7月): 約3.66ドル(約540円)
- 年初来騰落率(YTD): +57.44%
- 過去最高値(2018年1月): 3.8419ドル(約567円)
価格動向
関連:XRPが2028年に12.5ドル到達か、イーサリアム超えの可能性も スタンダードチャータードの価格予測|25年4月
リップル社とSEC和解でXRP急伸、トランプ政権の仮想通貨政策など複数の材料が相場押し上げ|25年8月
時価総額
エックスアールピー(XRP)の時価総額は2025年7月時点で約1,940億ドル(約28兆円)、ステーブルコインのUSDTを上回り、仮想通貨市場の第3位。決済セクターの中では1位に位置する。同カテゴリで2位のドージコイン(DOGE)の時価総額は約361億ドル、3位のビットコインキャッシュ(BCH)は約115億ドル。
主な出来事
エコシステム支援組織
リップル社: 2012年9月にNewCoin Inc.として設立(技術開発チームにクリス・ラーセン氏が加わり、4名体制で創業)。後にOpenCoin Inc.に社名を変え、2013年9月に現在のRipple Labs Inc.へと改名された。
リップル社はRipple Netなどのソリューションを使って経済的な国境のない世界のための画期的なソリューションを構築することを目指している。カストディ企業を買収してステーブルコイン「RLUSD」へと展開し、XRPのエコシステムを主導している。
関連:リップルのステーブルコイン「RLUSD」× 機関投資家向け戦略 SBIとの協業も
トークンアロケーション
XRPの総発行枚数1,000億XRPは、2012年のネットワークローンチ時にすべて生成された。技術的には、この1,000億XRPは最初にGenesisアカウントに生成され、その秘密鍵情報はソースコードにハードコーディングされていた。
初期配分の詳細
配分先 XRP数量 割合 Ripple Labs社 800億XRP 80% 創業者配分(合計) 200億XRP 20% Chris Larsen 90億XRP 9% Arthur Britto + Jed McCaleb 110億XRP 11%注:技術開発に貢献したDavid Schwartzは初期配分を受けていない
2017年にXRPレジャーにエスクロー機能が実装され、リップル社保有分のうち550億XRPがロックされた。
出資している主なVC
- 資金調達総額:2.9億ドル
- シリーズC: 2019年12月20日 調達資金は2億ドル
- リードインベスター: Tetragon Financial Group Limited
- フォロー投資家: SBI Investment、Bossanova Investimentos、Route 66 Ventures
XRPの将来性
リップル社のRLUSDとRWA戦略
企業向けのステーブルコイン「RLUSD」が時価総額5億ドルを突破。GENIUS法案により規制の明確化が進み、今後は実世界資産(RWA)のトークン化プラットフォームとしての展開にも注目。RLUSD利用増加により、(XRPLの取引手数料として使用される)XRPの需要押し上げ効果も期待される。
2025年7月、XRPに影響を与える2つの重要法案(CLARITY法案・GENIUS法案)が米下院で可決。SECとCFTCの権限明確化やステーブルコインの規制枠組み整備が進展。
XRP ETFの審査状況
現物(スポット)XRP ETFについては、Franklin Templeton、Grayscale、Bitwise、21Shares、WisdomTree、CoinSharesなどが申請中。Franklin Templetonに対するSECの判断期限は2025年6月17日だが、年内のさらなる延期も予想されている。
米国アルトコインETF申請リストと承認確率 出典:ブルームバーグ・インテリジェンス
ブルームバーグのアナリストは、2025年中の現物XRP ETFの承認確率を85%と予測している。一方、2025年4月28日にはProSharesによるXRP先物ETF3本がSECに承認され、同月30日から取引が始まっている。
ロードマップ
リップル社は、XRP Ledger(XRPL:リップルが開発したブロックチェーン)で機関向けDeFi(分散型金融)強化の一環として、2025年7月にイーサリアム互換のスマートコントラクトを導入するサイドチェーン「XRPL EVM Sidechain」をメインネットで稼働した。ユースケース・機能拡大が期待される。
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レイヤー1ブロックチェーン「Neo(ネオ)」は、2014年に中国で立ち上がり10年以上にわたり開発が続く長い歴史を持つプロジェクトだ。イーサリアムと似た機能を備えることから “中国版イーサリアム” とも呼ばれ、アプリ開発に必要な機能を標準搭載した使いやすい設計が特徴である。
ブロックチェーン開発にありがちなツールの分断や複雑さ、開発環境の制限といった課題に向き合い、「人が自由に経済活動を行える世界」=スマートエコノミーの実現を掲げてきた。 その基盤として、オールインワンで開発可能なNeo N3や、イーサリアム互換を持つNeo Xを整備している。
さらに近年は、AIの進化を背景に「AIが経済活動を担う時代」=センチエントエコノミーを構想し、2025年には中核となる新OS「SpoonOS」を発表した。 加えて、国内仮想通貨取引所の「OKCoin Japan」への上場、日本最大規模のWeb3カンファレンス「webX」への継続出展、日本発Web3投資ファンド「gumi Cryptos」との提携など、日本市場を戦略拠点として位置づけている。
本記事では、Neoの基本構造から最新の技術トレンド、さらには日本市場における取り組みまで、現在のNeoの全体像を解説する。
Neo誕生の背景(これまでの課題点)
ブロックチェーンが登場した当初、多くのプロジェクトは「金融取引の代替」や「通貨発行」に焦点を当てていたが、やがてスマートコントラクト技術の進化によって『アプリケーションの構築』へと活用の幅が広がっていった。
こうした潮流のなかで、より簡単にブロックチェーン上でアプリやサービスを開発できるようにすることを目的として、2014年に中国で誕生したのがNeoだ(当時はAntsharesとして始動)。
技術的な自由度と開発者の使いやすさを両立しながら、スマートコントラクト・デジタルID・資産管理といったブロックチェーンに不可欠な機能を標準で備えるプラットフォームを目指し、Neoは構想・開発を重ねてきた。
Neoとは?
Neoは、ブロックチェーン上でアプリやサービスを作る人たちにとって、使いやすく、整った開発環境を提供することを目的に設計されたレイヤー1のブロックチェーンである。
Neoが掲げるのは「より簡単にブロックチェーン開発ができる世界」であり、その実現のために2つの基盤―「Neo N3」と「Neo X」を開発してきた。
オールインワンで完結する「NEO N3」
ブロックチェーン上でアプリを作るには、スマートコントラクトやストレージ、オラクル、ID管理など多くの機能を組み合わせ、従来の開発環境では、これらを外部ツールから寄せ集めて構築する必要があり、手間もリスクも大きかった。
NEO N3は、そうした課題を解消するために生まれた。アプリ開発に必要な機能をすべてあらかじめ内蔵したオールインワン型のプラットフォームであり、開発がNeo内で完結するのが最大の特徴だ。
また、複数のプログラミング言語に対応し、Web3未経験の開発者にも開かれた、柔軟で親しみやすい開発環境を整え、さらにNeoは、「dBFT」という独自のしくみを使って、ネットワークの安全性とスピードのバランスを取っている。これにより、1秒間に最大1万件の取引を処理できる高性能なブロックチェーンとして、実用性の高い環境を実現している。
開発の幅を広げるサイドチェーン:Neo X
Neo N3は、高速かつ安全なアプリ開発環境を提供する一方で、独自の言語であるNeoVM上で動作するため、Web3で主流のEVM(Ethereum Virtual Machine)と互換性がないという課題があった。
EVMとは
Ethereum Virtual Machine。イーサリアムのスマートコントラクト実行環境。EVMとの互換性を得ることで、ユーザーや資産、dAppsの相互乗り入れが容易になるため、良くも悪くも戦略で重視される。
EVM向けの言語Solidityや既存ツールが使えないことから、開発者の参入や資産の流入にハードルがあり、拡張性の面で限界があった。
そこでNeoは、EVM開発者も柔軟に参加できる土台として、2024年にEVM完全互換の新サイドチェーン「Neo X」を公開した。
Neo Xの登場により、Neo N3が持つオールインワン型の開発環境や高速な処理能力といった強みを活かしながら、SolidityなどEVMベースのツールや資産にも対応できるようになった。これにより、より多くの開発者がNeoエコシステムに参加しやすくなり、既存のEthereum系プロジェクトの展開もスムーズに行えるようになった。
さらに、 取引の先回りや不公平な並び替えを防ぐ設計「MEV耐性」を導入しているため、開発者とユーザー双方にとって公正な取引環境を提供することができる。
Neoの歴史と運営体制
Neoは、2014年に Da Hongfei(ダ・ホンフェイ) と Erik Zhang(エリック・チャン) によって「Antshares」として設立されたブロックチェーンプロジェクトである。当初、中国・上海を拠点に10人足らずのメンバーで始動したが、現在では50人以上の組織へと成長し、Microsoft、Facebook、Amazon、Samsungなどの大手企業出身者も含むグローバルな開発者コミュニティを形成している。
開発実績
2014年 プロジェクト発足(Antsharesとして始動) 2016年 MainNetローンチ 2017年 Neoへリブランディング 2021年 Neo N3ローンチ(最大規模のアップグレード) 2024年 Neo X(EVM互換サイドチェーン)公開 2025年 SpoonOS構想発表(AI × Web3エージェント基盤)経営陣
共同創設者兼Neo Foundation会長: Da Hongfei氏2014年にNeoの前身であるAntsharesをErik Zhang氏と共に設立した共同創設者であり、現在はNeo Foundationの会長およびNeo Global Development(NGD)のCEOとして、エコシステム全体の戦略立案と実行を統括している。
共同創設者兼チーフアーキテクト: Erik Zhang氏Da Hongfei氏と共に設立した共同創設者で、Neoのチーフアーキテクトとして、独自のコンセンサスメカニズムであるdBFTを設計し、プロトコルの設計および開発を担当している。
資金調達
Neoは2016年にICO(トークン販売)を通じて約500万ドルを調達し、開発およびエコシステムの構築を進めてきた。
持続可能なトークンモデル
Neoが外部資金に依存せずにプロジェクトを継続できた背景には、独自の「デュアルトークンモデル(NEOとGAS)」の存在がある。
この2つのトークンが、Neoのネットワーク運営と経済的持続性を支える基盤となっている。
デュアルトークンモデル
NEOでは、「NEO」と「GAS」という2種類のトークンが存在する。これは、ネットワークの運営(NEO)と利用(GAS)を分離することで、シンプルかつ持続的な設計を実現するためのものだ。
NEO:ネットワークの根幹を支えるガバナンストークン
NEOはジェネシス段階で総供給量1億枚を発行し、このうち5,000万枚をICOで販売、残る5,000万枚はNeo Foundationがロックアップした、主に開発費やエコシステム拡充の資金源として活用されている。
NEOは、ノード選出やネットワークの意思決定など、ガバナンスに関わる機能を担う基軸トークンだ。分割ができない設計となっており、1単位ごとにGASを生成する仕組みが組み込まれている。保有者は、トークンを保有しているだけでGASを得ることができるため、ネットワーク参加のインセンティブとしても機能している。
NEOトークン基本情報 総発行量 1億枚 時価総額 約550億円 市場ランク 130位 流通チェーン Neo N3 主な取引市場 Binance, Upbit, OKX *2025年7月8日時点 時価はコインマーケットキャップ参照GAS:ネットワークの利用を支えるユーティリティトークン
GASは、スマートコントラクトの実行やトランザクション処理といったネットワーク利用に必要な手数料として用いられる。GASは、ブロック生成ごとに発行され分配される仕組みとなっており、10%がNEO保有者に、80%が投票参加者に、残りの10%がネットワーク運営を担うNeo Councilメンバーに配分される。単なる保有だけでなく、ガバナンスやノード運営への参加に応じて報酬が得られる、インセンティブ設計が特徴となっている。
GASトークン基本情報 総発行量 6,500万枚 時価総額 約270億円 市場ランク 186位 流通チェーン NEO N3 主な取引市場 Binance, Upbit, OKX *2025年7月8日時点 時価はコインマーケットキャップ参照持続可能な運営のための経済モデル
Neo Foundationなどの主要な保有者は、NEOの保有→GASの生成→市場での売却→資金化という流れにより、継続的な運営資金を確保してきた。このモデルによって、VC資金や頻繁な外部調達に頼らず、ネットワークの経済活動そのものが運営基盤となる仕組みが構築されている。
日本市場への展開
NEOは2019年以降、gumi Cryptosとの提携、国内取引所上場、WebX参加を通じて日本市場での展開を強化。NEOは日本を戦略的重要市場と捉え、Web3エコシステムの拡大を目指している。
gumi Cryptosとの提携
2019年8月、NEOはgumi Cryptos Inc.と戦略的パートナーシップを締結した。gumi Cryptosは日本市場でのマーケティングとコミュニティ形成を支援し、NEOのブロックチェーン技術を活用したゲームなどのWeb3アプリケーションの展開を促進。両社は日本の開発者がNEOエコシステムに参加しやすい環境を構築し、ワークショップやイベントを通じて技術普及を目指している。
WebXへの展開
Neoは2023年のWebX初開催から、3年連続でスポンサーとして参加。2023年はシルバースポンサー、2024年はプラチナ、そして2025年はゴールドスポンサーとして名を連ねている。
この継続的な支援は、日本の開発者・企業・コミュニティとの関係構築を重視し、長期的な協力体制を築く意向を示すものとなっている。