印タタのiPhone部品工場廃水で汚染問題、当局が操業停止を警告(ロイター)
Munsif Vengattil Aditya Kalra [バンガロール 13日 ロイター] - インドの公害規制当局は、米アップルの「iPhone」向け部品を製造するタタ・グループのタタ・エレクトロニクスの工場から排出された廃水が、近隣農地の地下水を汚染したと指摘した上で、タタ側が満足のいく説明を行わない限り、強制的な操業停止を命じると警告した。 タタ・エレクトロニクスは、iPhone生産を中国以外へ分散させようとするアップルの戦略において中心的な役割を担っており、南アジアでは台湾の鴻海精密工業(フォックスコン)に次ぐ第2位のアップル系サプライヤー。調査会社カウンターポイントは、世界のiPhone生産におけるインドのシェアは4年前のわずか6%から、今年は26%に上昇すると予測している。 問題となったのは南部タミルナド州ホスールにあるタタの工場で、iPhoneの背面パネルなどの部品を製造している。工場の近くに土地を持つ農場主らは、工場からの廃水が自分たちの土地や掘り抜き井戸を汚染しているとして、タミルナド州公害管理委員会に対して数カ月にわたって苦情を申し立てていた。 ロイターが確認した5月25日付の未公表の規制通知によると、これらの苦情を受けて25年12月から今年5月の間に計5回の州当局による検査が実施された。 公害管理委員会がタタに送った警告通知に基づくと、検査の結果としてタタが施設内の雨水貯留池に廃水を排出しており、その池から溢れ出た水が「隣接する農地にある掘り抜き井戸の地下水を汚染した」ことが分かった。 当局はこの通知で、タタが25年12月23日付の前回の書簡で出された指示に対し、何ら是正措置を講じていなかったとも説明している。 タタ・エレクトロニクスはロイターへの声明で、認定機関を通じて独自の分析を依頼したところ、同社は「全ての規制基準を完全に順守している」ことが判明したと主張。「責任ある事業慣行と、環境および地域社会の保護に尽力している」と述べ、公害当局に対しては回答済みであるとしたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。 ただ公害管理委員会は5月の通知で、規則違反の疑いに言及した上で、なぜ工場の電力を遮断し閉鎖すべきではないのか、その理由を説明するようタタに求めた。 サプライヤーの廃水処理に関して厳格な規則を設けているアップル、タミルナド州政府は、ロイターのコメント要請に応じなかった。 インドでは、企業が公害当局から懲戒処分を受けることは珍しくない。24年には、メルセデス・ベンツが、当局から環境法遵守の不備を指摘されたことを受け、インド国内で唯一の自動車工場の廃水および大気汚染管理を改善した。 同国環境省が2月に議会に提出した報告では、過去5年間で調査対象となった54万4364カ所の産業施設の4.4%に環境基準違反が見つかり、3600カ所の施設が公害管理部門によって閉鎖されている。