日本でチップ文化は広がるか 「払いたい」訪日外国人への対応は

日本でも「チップボックス」を置く店が静かに増えている(写真はイメージ)=ゲッティ

 記録的な円安を背景に、今年1~6月の訪日外国人客数(推計値)は2151万8100人となり、上半期としては初めて2000万人を上回った。年間では史上最高となる4000万人超えが視野に入る。

 そんな日本で静かに増えているのが、チップを受け取るための「チップボックス」だ。

「日本にもチップ必要」調査結果は?

 欧米では、レストランやタクシーなどで客がチップを渡すのが一般的な国があるが、日本ではチップを渡す習慣がほとんどない。空前のインバウンド景気に沸く日本で、チップの習慣も広がっていくのだろうか。

 外国人に人気の観光スポット、東京・浅草の雷門前は、スマートフォンやカメラで記念撮影する外国人客でにぎわっていた。

 土産物店が並ぶ仲見世通りを歩くと、「Hand made by Japanese craftsmen(日本の職人の手作り)」と英語の表示でアピールする店や、英語で通行人に呼びかけて菓子の試食を促す店員もいた。

 浅草のあるバーでは、1年ほど前から店内のレジの横にチップボックスを置き始めた。

 以前からチップを置いていく外国人のお客さんや、「おつりはいりません」と小銭を置いていく日本人客がいたためだ。

 「日本でチップを渡すのは、失礼になるのではないか」

 このバーの店主の40代男性は、外国人のお客さんにそう聞かれたことがある。

 店主の男性は「料理やサービスに対して値段以上の付加価値を感じてもらえた時『ありがとう』という気持ちでチップを渡してくれるのは歓迎です。チップを置いていくかどうかは、どちらでも構いません」と話す。

 街全体で外国人客が増える中、「チップボックスを置く店も…

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