移民当局の「無法行為」、独裁国家に例えて批判 オバマ氏
米国のオバマ元大統領=2024年8月、イリノイ州シカゴ/Charly Triballeau/AFP/Getty Images
(CNN) 米国のオバマ元大統領は、米移民税関捜査局(ICE)による米ミネソタ州での対応について「危険だ」と批判し、「ならず者的な行為」は「権威主義国家」や「独裁政権」で見られた行為に似ていると述べた。
オバマ氏の今回の発言は、14日に配信されたリベラル系ポッドキャスターのブライアン・タイラー・コーエン氏との幅広いインタビューの中でのもの。オバマ氏は前政権時には公の場への露出を抑え、民主党の次世代に道を譲る姿勢を示していた。今回の発言は、そうした長年の戦略を転換した最近の事例の一つとなる。
オバマ氏はこれまでもトランプ大統領による各都市への連邦職員の派遣を批判してきた。オバマ氏は、ミネソタ州での移民当局の行動を「深く憂慮すべき、危険な行為だ」と指摘した。
約3000人の連邦職員が投入されたミネソタ州での大規模な移民取り締まり作戦では、強硬な手法や市民との衝突を捉えた動画が数多く出回った。
オバマ氏は「ミネアポリスやセントポールでICEが行っていたことの前例のない行為、つまり、明確な指針や訓練もないまま連邦捜査官、ICEの捜査官が派遣され、人々を自宅から引きずり出し、法を破っていない、そこに立っていた群衆に催涙ガスを使用したことを認識する必要がある」と語った。
オバマ氏はさらに、米国の市民が平和的な抗議活動を行い、これまで独裁国家や独裁政権下で目にしてきたものの、米国では見られなかったような行為を明るみに出したことを称賛すべきだと言い添えた。
今年1月、ミネソタ州ミネアポリスで移民当局の捜査官によって、抗議に参加していたレネ・グッドさんとアレックス・プレッティさんが殺害されたことを受け、市内や全米で怒りが広がった。トランプ政権は先ごろ、数カ月に及んだミネソタ州での移民取り締まりの強化を終了すると発表した。
オバマ氏は1月に寄稿したコラムで、プレッティさんの死について、米国の中核的な価値観が「攻撃にさらされている」ことへの「警鐘」だと指摘していた。今回のインタビューでもミネソタ州のデモ抗議者の対応を称賛した。
ミネソタ州では、移民当局の存在を笛や車のクラクション、叫び声などで地域に知らせ、捜査官とのやり取りを記録するなど、市民的不服従を中心とした戦略が取られてきた。
オバマ氏は「零下の中での一般の人々による英雄的で継続的な行動こそが、我々に希望を与えるはずだ」と語った。
政治の「道化芝居」を批判
今回のインタビューは、トランプ氏のSNSのアカウントが今月、オバマ氏とミシェル夫人をジャングルのサルに見立てた人種差別的な動画を投稿し、その後削除して以降で、初めてのものだった。コーエン氏はこの動画に触れながら、米国がいかにして礼儀正しい議論の衰退を食い止めることができるのか質問した。
オバマ氏はトランプ氏の投稿に直接言及しなかったものの、「ソーシャルメディアやテレビで、ある種の道化芝居のようなことが起きている」と述べ、かつては礼儀作法や礼節、敬意を持たなければならないと感じていた人々が「このことについて全く恥じていないようだ」と言い添えた。
トランプ氏は動画について謝罪を拒み、スタッフのミスだと主張し、問題の場面は見ていなかったと説明している。