世界バレー惨敗、何が起きていたのか 日本代表コーチが明かした背景

トルコ戦で得点を挙げて喜ぶ石川祐希(右)=マニラ首都圏ケソン市で2025年9月13日、AP

 ここ数年の好成績からは想像できない惨敗だった。

 バレーボール男子日本代表が世界選手権(12~28日・マニラ)で1次リーグ敗退に終わった。

 背景に何があったのか。日本代表の伊藤健士コーチ(44)が語った。【小林悠太】

 ティリ・ジャパンの現在地、チームを支える人々の思いを伝えます 「可能にするためには『狂う』」 「今のバレーはF1」 キーワードは「HTL」 「日本はポーランドに追いつける」

「しっくりきていない感じ…」

 世界選手権から帰国した18日夜、羽田空港のロビー。こちらの問い掛けに対し、伊藤コーチは敗因を語り始めた。

 「しっくりきていない感じ、理想と現実の乖離(かいり)がありました」

 決して後ろ向きな口調ではない。

 ロラン・ティリ監督体制となって1年目。練習内容や調整方法は昨年までと変わり、まだ手探りだ。

 伊藤コーチは日本代表チームに携わって12年目。4人の監督の下でスタッフを務めてきた経験がある。

 「新体制1年目でいきなり最初から、すべてがうまくいくのは難しい。学んだことを来年以降に生かさなければいけません」

 だからこそ、世界選手権を含む今シーズンで出た課題に向き合い、整理することが重要だと伊藤コーチは考えている。

「日本に勝てば上に行ける」

 今回の世界選手権には32チームが参加…

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