ロボット支援手術で執刀医の医療ミス…20代男性に高次脳機能障害などの後遺症 1億5000万円の賠償金支払いで和解成立 鳥取大学医学部附属病院

6年前、鳥取県米子市にある鳥取大学医学部附属病院でロボット支援手術を受けた20代の男性が、執刀医の医療ミスにより高次脳機能障害などの後遺症を負ったとして、損害賠償を求めていた裁判で、14日、大学側が1億5000万円を支払うことで和解が成立しました。 【写真を見る】ロボット支援手術で執刀医の医療ミス…20代男性に高次脳機能障害などの後遺症 1億5000万円の賠償金支払いで和解成立 鳥取大学医学部附属病院 高橋真一 代理人弁護士 「有効性、安全性、低侵襲で患者さんに優しいということを否定する趣旨は全くございません。このダビンチ手術であっても、人間がやることによってミスが起こることを再認識していただかないといけないということが一つ。 病院が行うべき、将来の患者さんと家族の補償、これについては病院側の提示額を鵜呑みにするのではなく慎重に検討する必要があるし、裁判によって、適性な額、補償を受けることができるという、二つの意義があると思っています。」 この裁判は、2019年4月、米子市の鳥取大学医学部附属病院でロボット支援手術を受けた米子市内の20代の男性が、医療ミスなどにより後遺症を負ったとして、鳥取大学に対し損害賠償を求めていたものです。 代理人弁護士によりますと、鳥大病院は手術支援ロボット「ダビンチ」を使って、男性の胸部にある腫瘍を切除する手術を行った際、執刀医のミスにより脳に血液を送る血管を損傷し大量出血させた上、輸血が遅れるなどしたということです。 その結果、男性は長期にわたる治療とリハビリを強いられ、高次脳機能障害や呼吸機能障害の後遺症を負いました。 一方、これまでに男性の腫瘍の再発はありません。 病院側は医療ミスを認め、患者と家族に謝罪。 賠償金として2000万円を提示しましたが、賠償としては極めて不十分だとして、男性は2023年3月に鳥取地方裁判所米子支部に提訴しました。 男性の代理人弁護士が、14日会見を開き、大学側が男性に1億5000万円を支払うことで和解が成立したと明らかにしました。 男性の家族は「今回のことを教訓にして、今後ダビンチ手術を受ける患者・家族への事前説明をより詳しくわかりやすく行ってほしい。手術の際は、事前に十分な準備を行いリスクを下げて行ってほしい。そして、二度とこの様な医療事故が起こらないことを願っている。」とコメントを出しました。

また、鳥大病院は「和解したことは事実でありますが、内容については相手方があることなので、詳細は控えさせていただきます。本院といたしましては、再発防止に努めるとともに、今後とも地域の皆様に信頼され、安全で満足いただける質の高い医療の提供に最大限努力してまいります」とコメントしています。

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