ウクライナ、安全を保証する国から中国を除外-ロシア案に反発

Olesia Safronova、Aliaksandr Kudrytski

  • ゼレンスキー大統領、中国はこれまで助けてくれなかったと指摘
  • 米ロ交えた3者会談、スイスかオーストリア、トルコでの開催を提案

ウクライナのゼレンスキー大統領が、ロシアとの停戦が成立した場合に安全を保証する国に中国を加えるというロシア側の考えに反発している。

  ゼレンスキー氏はキーウで記者団に対し、「ウクライナを助けず、本当に助けが必要だった時に助けてくれなかった国の保証は必要ない」と述べ、「われわれが求めるのは、実際に支援する意思のある国々による安全だけだ」と強調した。

  ロシアのラブロフ外相は20日、ウクライナへの安全を保証する信頼できる枠組みの提供は、ロシア抜きでは成立しないとした上で、中国が関与する可能性に言及した。

  その中で、ロシア軍によるウクライナ全面侵攻の初期段階にイスタンブールでまとめられた協定案にも触れたが、この案はロシア以外の保証国が、攻撃を受けたウクライナを支援しようとする際にロシアが拒否権を持つ内容が含まれていたことから、ウクライナ側が拒んでいた。

  ロシアと中国は、ロシアが2022年2月にウクライナで戦争を始める直前に「無制限」のパートナーシップを宣言。中国政府は殺傷能力のある武器の供与を控えているが、ロシアの兵器に中国製の部品が含まれていることが確認されている。

  中国の習近平政権は外交、経済の両面でロシアを支援し続けており、ゼレンスキー氏はこうした中国の姿勢をこれまでも批判してきた。

3者会談

  ゼレンスキー氏と欧州首脳らは18日、ワシントンでトランプ米大統領と会談した。ゼレンスキー氏によれば、安全の保証における米国の役割について、トランプ氏から「前向きなシグナル」を受け取ったという。

  同氏が自身とゼレンスキー氏、プーチン氏による3者会談を提案したことを受け、ゼレンスキー氏はプーチン氏との会談には応じる用意があるとあらためて述べたが、「モスクワでの会談はあり得ない」と明言。

  ハンガリーの首都ブダペストでの開催という案にも難色を示し、同国のオルバン首相の政策について、ウクライナに反対しているわけではないが「ウクライナ支援には反対している」と語った。

  ゼレンスキー氏は、「中立的な欧州」で3者会談を行うべきだとし、北大西洋条約機構(NATO)に加盟していないスイスもしくはオーストリア、あるいは過去にも停戦協議が行われたNATO加盟国のトルコを開催地として提案した。 

原題:Zelenskiy Rules Out China as One of Postwar Security Guarantors (抜粋)

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