大谷翔平が「まさかの発言」 ド軍同僚は翻訳機を片手に注目…31歳で見せる新たな才能

【MLB】ブルワーズ 6ー5 ドジャース(日本時間21日・ロサンゼルス)

 祈りのこもったライナーが中堅手のグラブに収まる。ドジャースは20日(日本時間21日)のブルワーズ戦で後半戦3連敗。大谷翔平はバットを持ったままネクストバッターズサークルから動こうとしなかった。視線の先には最後の打者となった失意のベッツ。“ドンマイ”と言わんばかりに背番号50のお尻をポンと叩いた。

 399日ぶりの2番スタメン。3回2死一塁、左腕キンタナから2試合連発となる34号2ランを放り込んだ。2点を追う8回には四球で出塁。得点にはつながらなかったが、打線が低調な中で連日の奮闘を見せた。「スイングの状態は非常によく、四球も選んだし、逆方向への打球もあった。良い打撃ができている」。ロバーツ監督は目を細めた。

 プレーだけではない。言葉でもチームを引っ張っている。オールスター前日会見では「すごいと思った、印象に残った選手は?」と問われ、ジャック・ドレイヤーとベン・カスパリウス両投手の名前を挙げた。両投手とも勝ち負けに問わずに登板する立場。大谷の回答は日本語だったため、チーム関係者から自身への発言を知らされたドレイヤーは翻訳機を使って、その声を聞き入ったという。

「日本語でしたが、とてもクールな映像でした。ショウヘイから言ってもらえるのは本当に光栄です。ショウヘイとはいい友だちになっているが、リーダーとしても素晴らしいです。僕とベンのことをチームにとって重要な存在と感じてくれていること。僕たちがチームに貢献できていると思ってくれていることは特別なことです」

 ベッツでもフリーマンでもカーショーでもない。26歳のドレイヤーは「まさかの発言」と振り返ったが、伸び盛りの若手をやる気にさせるものとなったのは間違いない。

 冒頭のベッツのお尻をポンと叩いた場面。大谷は意気消沈するベッツがクラブハウスへ引き上げるのを待ってからクラブハウスへ下がった。この日の試合後、ロバーツ監督は「チームに必要なことを全てやってくれている」と称賛した。キャプテンとしての資質は十分だ。

○著者プロフィール 小谷真弥(こたに・まさや)1983年、大阪・大阪狭山市生まれ。埼玉・東松山市育ち。明大明治高、明大野球部を経て2006年報知新聞社に入社。地方部(富山・石川)を経て2009年に運動第一部(野球部)へ異動。2009年ロッテ、2010、11年横浜、2012年から巨人、2015年から日本ハム、2017年からメジャー担当。2019年2月からFull-Count編集部に所属。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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