がんは遺伝するの?どうやってがんと遺伝を教えるか・・・両側乳がんになりました。
8月、札幌で日本遺伝カウンセリング学会が行われました。
ご縁いただいて登壇し、発表をさせていただきました。テーマは『がん教育』を通じてあらためて遺伝を考える。
私自身も様々な大学や学校、職場などにお邪魔し、お話をさせていただきますがとってもみなさん知識が足りないことを実感されます。
がん教育とは?
学校で段階的に必修となった『がん教育』。医療従事者やがん経験者を外部講師として招き、授業を行うことが推奨されています。
しかしながら講師の確保、謝金などの経費、指導時間の確保など様々な理由から、北海道での外部講師を活用した『がん教育』は小中高校全体で9.0%(全国平均11.4%)と広がっていません。
また地理的な事情から医療機関が少ないことや検診業務の人手不足も加わり、他の都府県に比べ、がん検診受診率が大幅に低いことも知られています。乳がん検診は36.9%で(全国平均47.4%)47都道府県中46位。若い世代からの『健康リテラシー』、がんや健康に関する正しい知識を広めることが急務だ、と考えています。
様々な地域課題を抱える北海道
講師や授業をいきなり増やすことは困難と考え、ネット環境・IT活用をまず一歩ではないかと私は考えていました。
課題感を共有していた北海道教育庁と協働、児童生徒だけでなく、実は二の足を踏んでいる学校教師を含めた教育現場で幅広く活用できるように2024年4月にがん教育動画『onちゃんと学ぼう!』を制作、YouTube で公開しました。
『がんってなんだ?』
『家族ががんになったら?』
『自分ががんになったら?』
として、長年がん患者取材を続けながら、自らもがん経験者ともなった自身の経験と共に働くアナウンサーの生の声を入れる形で制作したものです。
がんが発生するまでをアニメーションにするなどわかりやすいものとし、SNSなどでの間違った情報に惑わされない情報リテラシーやメディアとして伝えておきたいことも交えて工夫しました。さらに、いつも悩む、とご質問を受ける、がん患者だけでなく、家族などがんと向き合う人々に対する理解を深めるため、『がんとともに生きること』を伝える構成に整えています。
こちらの動画は北海道内の小中高校にとどまらず、東北6県にも各県のバージョンにした形でこの2025年3月までに届けています。
この内容はクイズ形式でわかりやすく、難しくない、こわくないことを目指したことで動画の内容を家庭にフィードバックしてくれる、という効果も得られています。
先生方の側からも、教科書に沿った授業はできても、り患者の気持ちや家族の苦労は伝えられず、言葉を選んでしまう中、教育的効果は高いとされて活用が進んでいます。
文科省の指導教材より、踏み込み、がんに認める遺伝子変化についてやがんになる原因として『細菌・ウイルス』、『生活習慣』に家族でがんを共有する『生まれ持った体質』も加えて表現。そこにさらに『原因がわからないもの』もある、とまで踏み込んでいれました。
どれかひとつが原因となることではなく、いくつかが重なり合ったときにその可能性が高まると伝えています。だから誰にでもなる可能性がある、ということ。
この授業や動画などでわかり始めたからこそ、『がんは遺伝するの?』『親がなるとこどももうつるの?』という質問を多くもらうことになります。
あとは自分が悪い子だったからがんになった、とか、逆に自分が不摂生だったからがんになった、とかさらには不摂生がたたって自業自得と言われた、とか。無理解による偏見、思い込みはあとを絶ちません。
誤解や偏見、差別の生じない社会環境の構築にもつながることから、がんのメカニズムとヒトの遺伝・ゲノムについて組み合わせて、若年から学ぶ機会を作ることが重要であると考えています。
まだ道は半ば、です。
がんとともに、、、。
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決して1人ではありません。