ニュージーランド首相、中央銀行はもっと利下げすべきだったと発言
- 中銀は50ベーシスポイントの利下げを行うべきだった-ラクソン首相
- 中銀の当局者と話しているが、「指示」ではないと記者団に釈明
ニュージーランドのラクソン首相は、中央銀行が先週決定した政策金利であるオフィシャル・キャッシュレート(OCR)の引き下げについて、50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げるべきだったとの認識を示した。
ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は20日、OCRを3.25%から0.25ポイント引き下げ3%にすると決定。賛成4、反対2の投票結果でこの利下げが決まったが、2人の委員は0.5ポイントの大幅な利下げを主張していた。
「NewstalkZB」のラジオ番組司会者マイク・ホスキング氏から25日、中銀はより積極的な利下げを行うべきだったかどうか質問されたラクソン首相は、「個人的にはそう思う」と答えた。
ニュージーランド中銀の金融政策運営の独立性は法律によって厳格に守られており、首相や閣僚が政策金利の決定について公に意見を述べるのは異例だ。
米国では連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が金利を引き下げないとして、トランプ大統領が執拗(しつよう)な批判を続けている。
こうした中、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は24日、政府が金利の決定に関与すれば経済が機能不全に陥るリスクがあると警告。中銀の独立性に疑念を生じさせかねない動きにくぎを刺していた。
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ラクソン氏は、利下げ決定の前には経済の動向について議論するために中銀のホークスビー総裁と面会するようにしているとも発言。同総裁に対して積極的な対応を持ちかけたか問われると、「そうだ」と答えた。
その後、記者団に対し、自身とウィリス財務相が中銀の当局者と話していることは認めたが、それは「指示」ではなく独立性を損なう意図はないと釈明した。
原題:NZ PM Says RBNZ Should Have Cut More in Rare Comments (2) (抜粋)