北京で人型ロボットが走るハーフマラソン大会 中国が「世界初」で新興産業をアピール
19日、中国・北京市で開かれた人型ロボットが走るハーフマラソン大会(三塚聖平撮影)
【北京=三塚聖平】中国・北京市で19日、人型ロボットが参加するハーフマラソン大会が開かれた。「世界初」をうたっており、人間のランナーと同じ全長約21キロのコースを走った。中国当局は人型ロボットを新興産業の新たな柱に育成しようとしており、実用化で先頭集団を走っていると国内外に技術力をアピールした。
大会は北京市政府などが主催した。中国メディアによると、中国の民間ロボット開発会社など約20チームのロボットが出場を表明した。ロボットの出場条件は二足歩行が可能な人型で、完全な自律式のほか遠隔操作で走るタイプも参加できる。接触防止など安全上の理由でロボットと人間のランナーは別のレーンで走った。
19日、中国・北京市で開かれた人型ロボットが走るハーフマラソン大会(三塚聖平撮影)ロボットは午前7時半(日本時間同8時半)に約1万2000人のランナーとともに順次スタートした。「身長」(高さ)は約180センチから75センチまでさまざま。沿道には観衆が集まり、「ロボット加油(頑張れ)!」などと声援を送っていた。足をとめて近くを走るロボットの写真を撮影するランナーも多くいた。
トップでゴールを駆け抜ける人型ロボット「天工 Ultra」=19日、北京(ロイター)
中国政府は、EV(電気自動車)などに続き、人型ロボットを新興産業の新たな柱に育てることに力を入れている。中国の人型ロボットの市場規模は2025年に82億元(約1600億円)を上回り、世界全体の約50%を占めると中国メディアは伝えている。