米国との密月は「終わった」、カナダ国民の8割が認識-世論調査
- カナダ国民の対米感情、トランプ氏の関税措置や発言で大きく変化
- 約75%が米製品の購入を控えると回答-昨年12月から10ポイント上昇
トランプ米大統領による関税措置や国家主権への脅しを受け、カナダでは米国との関係が恒久的に変わったとの見方が圧倒的多数を占めている。
ブルームバーグ・ニュースの委託でナノス・リサーチが実施した世論調査によると、「経済統合の深化や安全保障・軍事協力を基盤としたかつての米国との関係は終わった」との見解に回答者の約80%が同意した。
この見解は、カナダの総選挙期間中にカーニー首相が繰り返していた内容と一致する。ただ調査では、カーニー氏に対する評価と対米感情を混同しないよう、発言者については明示されなかった。
今回の調査結果は、反トランプ感情の高まりを受けて総選挙で勝利したカーニー氏に国民の強い支持が集まっていることを示唆している。同氏は、欧州やアジアとの連携を深め、国内経済を強化することで対米依存からの脱却を目指す方針を掲げている。しかし、カナダの輸出の約4分の3は米国向けであり、米国とのデカップリング(経済的切り離し)は実際には極めて難しいのが現実だ。
トランプ氏による関税措置や「カナダを米国51番目の州に」といった挑発的発言を受け、カナダ国民の対米観や行動には過去6カ月で大きな変化が生じている。トランプ氏の威圧的な姿勢に対する不安感が、トルドー前政権下では支持率が低迷していた自由党への支持回復につながった。カナダ国民の間では愛国心の表れとして、米国への旅行や米国製品の購入を控える動きも広がっている。
今回の調査では、全体の約75%が米国製品の購入を控える傾向にあると回答した。これは、昨年12月時点の調査からは10ポイントの上昇。調査は5月5日から8日にかけて電話とオンラインで実施され、1055人から回答を得た。誤差率はプラスマイナス3ポイントとなっている。
原題:Most Canadians Believe Old US Relationship Is ‘Over,’ Poll Says(抜粋)