「私たちの気持ちを理解していない」 シェフラーは泥つきボール扱いに疑問

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 初日(15日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)

クエイルホロークラブの難関3ホール、グリーンマイルの入口16番でスコッティ・シェフラーはダブルボギーを叩いた。残り212ydの第2打、フィニッシュでアイアンから手を離す。左に巻いたショットはあえなく池に落ちた。

直前の15番(パー5)で花道からパターで決めたイーグルが台無しになった。この16番では同伴競技者のザンダー・シャウフェレもセカンドショットを左の池にこぼし、ロリー・マキロイ(北アイルランド)は1Wショットを左に曲げ、世界ランクトップ3の注目組が全員ダブルボギーを叩く珍事が起こった。

シェフラーがメジャーの第1ラウンドでダボを記録したのはキャリアで初めてのことだという。トラブルにめげず「69」でまとめ2アンダー。しっかり20位で滑り出すあたりが世界ランキング1位たる所以かもしれないが、ホールアウト後は発言が注目された。

「フェアウェイの真ん中で、どこに飛ぶか分からない泥の付いたボールをうつことは本当にフラストレーションが溜まる」。問題の16番2打目のシーンでは前日までの大雨によってできた泥が球に付着していたという。

大会を主催する全米プロゴルフ協会(PGAオブ・アメリカ)は開幕前日に関係者に向けてメッセージを送っていた。「我々はプリファードライ(無罰でボールを拾い上げて汚れを落としプレースできるローカルルール)を計画していない。コースコンディションは素晴らしく、時間の経過とともに地面は乾いている。今夜はフェアウェイの芝を刈るつもりだ」と、伝統にのっとり“あるがまま”でボールを打たせる姿勢を強調した。

これに対しシェフラーは「リンクスコースのように雨が打ってもボールがはねるようなゴルフ場ならば(泥が付きにくいため)ボールを拭く理由はないが、アメリカのゴルフ場は違う。オーバーシードされ、砂がまかれていないフェアウェイでは泥が付きやすい」と指摘した。

「ゴルフはあるがままでプレーすべきとだと言う純粋主義者は、私たちが人生をかけてボールの打ち方、コントロールの仕方を習得しているにもかかわらず、ルール次第で突然それが奪われる気持ちを理解していないと思う」とチクリ。「でも、ルールを決めるのは僕じゃない。ルールの下での結果を受け入れる必要がある」と気持ちを切り替えた。(ノースカロライナ州シャーロット/桂川洋一)

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