ラッセルがミディアムで最速、角田はロング1.3秒差…2台が無計時 / F1カナダGP 2025《FP2》結果と詳報
2025年F1第10戦カナダGPの金曜フリー走行2回目(FP2)が、現地時間6月13日に開催された。ジョージ・ラッセルがミディアムタイヤで1分12秒123を記録し、ソフト勢を上回る圧巻のパフォーマンスで最速をマーク。メルセデスの復調を期待させる結果となった。一方、角田裕毅(レッドブル)は15番手に終わった。
メルセデス俊足光るも、ロングはマクラーレン優勢
C6コンパウンド(ソフトタイヤ)は、実戦データが乏しいうえに摩耗も大きく、扱いづらいことが明らかになりつつある。そんな中、ジョージ・ラッセル(メルセデス)は、このソフトを装着したランド・ノリス(マクラーレン)に0.028秒差をつけ、トップに立った。3番手には僚友アンドレア・キミ・アントネッリが0.288秒差で続き、メルセデスが1-3番手を独占する結果となった。
しかしながら、ロングランペースではマクラーレンが一歩上を行く。特にノリスは、平均して1周あたり約0.3秒速いペースで走行を重ね、レースシミュレーションにおける強さを示した。マクラーレンは今週末、ウイングとサスペンションにアップグレードを投入しており、それが予選・決勝でも継続して使用されるかに注目が集まる。
FP1でベンチマークを刻んだマックス・フェルスタッペンは、ショートランでのマシンバランスに苦しみ、FP2では9番手にとどまった。ただし、ロングランではマクラーレン勢と互角のペースを記録しており、決勝での巻き返しが期待される。
一方、チームメイトの角田はFP1の11番手から後退し、FP2では15番手に終わった。ただし、フェルスタッペンとの差は0.273秒と、コンマ5秒近く詰めており、ショートランの内容としては一定の進歩が見られた。
一方で、ミディアムタイヤでのロングランでは、フェルスタッペンに対して1周あたり約1.28秒(9周平均)もの遅れを取り、決勝に向けた課題を感じさせた。特に5周目以降、ラップタイムが一気にコンマ5秒近く落ち込んだ点が注目される。
このセッションでは、2台がノータイムで終了するなど、波乱の展開となった。
母国グランプリに挑むランス・ストロール(アストンマーティン)は、序盤にターン7の出口で壁に接触。左フロントタイヤが脱落寸前となる深刻なダメージを負い、ヘアピンでマシンを止めるようチームから無線指示を受けてセッションを終えた。
また、FP1でクラッシュを喫したシャルル・ルクレール(フェラーリ)も、モノコックの破損によりFP2への出走を断念。初日金曜の合計周回数はわずか9周にとどまった。
さらに、セッション全体を通しては、トラクション不足を訴えるドライバーが多発。トラフィックによる走行妨害も多く見られ、クリーンラップを得ることの難しさが浮き彫りとなった。
接戦必至の週末へ、勢力図が読みづらい展開に
上位6台が0.5秒以内にひしめく混戦模様となり、アレックス・アルボン(ウイリアムズ)が4番手、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)が5番手、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が6番手で続いた。7番手のカルロス・サインツ(ウイリアムズ)までを含め、トップ7はすべてメルセデスエンジンを搭載したチームが占める結果となった。
中でも注目は、ピアストリのロングラン。10周にわたる走行でノリスとの差はわずか0.07秒と、マクラーレンの両ドライバーがともに高いレースペースを示した。
メルセデスの復活は本物なのか。すでに最速との評価を得ているマクラーレンは、アップグレードにより更にライバルを引き離すのか。そして、フェルスタッペンと角田に巻き返しの余地はあるのか――土曜の予選、そして日曜の決勝に向けて、カナダGPの週末は目が離せない展開となりそうだ。
3回目のフリー走行は、日本時間6月14日(土)25時30分から1時間の日程で開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。
Pos No Driver Team Time Gap Laps 1 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:12.123 32 2 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:12.151 +0.028 31 3 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス 1:12.411 +0.288 32 4 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:12.445 +0.322 36 5 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 1:12.458 +0.335 30 6 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1:12.562 +0.439 31 7 55 カルロス・サインツ ウィリアムズ・メルセデス 1:12.631 +0.508 36 8 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ 1:12.653 +0.530 33 9 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1:12.666 +0.543 30 10 30 リアム・ローソン レーシングブルズ・ホンダRBPT 1:12.751 +0.628 29 11 6 アイザック・ハジャー レーシングブルズ・ホンダRBPT 1:12.799 +0.676 30 12 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 1:12.874 +0.751 33 13 5 ガブリエル・ボルトレート ザウバー・フェラーリ 1:12.896 +0.773 31 14 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ザウバー・フェラーリ 1:12.914 +0.791 32 15 22 角田裕毅 レッドブル・ホンダRBPT 1:12.939 +0.816 34 16 87 オリバー・ベアマン ハース・フェラーリ 1:13.080 +0.957 35 17 31 エステバン・オコン ハース・フェラーリ 1:13.175 +1.052 32 18 43 フランコ・コラピント アルピーヌ・ルノー 1:13.898 +1.775 32 19 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 2 グランプリ名 F1カナダGP セッション種別 フリー走行2 セッション開始日時 名称 ジル・ビルヌーブ・サーキット 設立 1978年 全長 4361m コーナー数 14 周回方向 時計回り