OPECプラス、来年1-3月の増産を停止-供給過剰懸念で慎重姿勢

Salma El Wardany、Fiona MacDonald、Grant Smith、Nayla Razzouk

  • 12月は日量13.7万バレル増産で合意、10月と11月のペース維持
  • 1-3月期は季節的に需要減速、制裁でロシアの供給に不透明感

石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成するOPECプラスは、12月に小幅な増産を実施した後、来年1-3月(第1四半期)は生産量の引き上げを一時停止する。市場シェア拡大の動きを維持しつつ、供給過剰の兆候とのバランスを取る構えだ。

  サウジアラビアを中心とする主要加盟国は2日開いたオンライン会合で、12月に日量13万7000バレルの供給を再開することで合意した。これは10月と11月の増産幅と同じで、その後1-3月期は増産を見送る。関係者によると、1-3月期は通常、需要が弱まる時期であり、今回の判断はそうした季節的な減速を見込んだものだという。

  しかし、原油市場を取り巻く不確実性は続いている。OPECプラスの共同リーダーであるロシアは制裁を受けており、同国の供給見通しに不透明感が広がる。来年にかけて原油の供給過剰が拡大するとの見方も強まっている。

  RBCキャピタルのコモディティー戦略責任者ヘリマ・クロフト氏は、来年の停止は「確かに新たな展開だが、1-3月期の供給見通しの不確実性を踏まえれば、慎重な判断だ」と述べた。

  ロシアへの制裁は、5カ月ぶりの安値を付けた後の原油価格を下支えしたが、OPECプラス参加国のある代表者は2日、制裁の市場への影響を判断するには時期尚早だとの見方を示した。

  来年1-3月の増産停止は、OPECプラスが4月に停止分の供給再開を始めて以来、初めての増産見送りとなる。

  国際エネルギー機関(IEA)によると、世界の供給は10-12月(第4四半期)に日量300万バレル超、需要を上回る可能性がある。来年には記録的な供給過剰に達する可能性があるという。

  OPECプラス加盟22カ国は11月30日に会合を開き、2026年の生産水準を協議する予定。

原題:OPEC+ to Pause Output Hikes Next Year as Market Set for Glut (1)(抜粋)

— 取材協力 Ben Bartenstein

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