Switch 2、米国では「誰でもすぐ買える」ように なぜ日本マイニンテンドーストアは招待制で制限? #エキスパートトピ
任天堂は10月7日、日本国内のマイニンテンドーストアにてSwitch 2の招待販売を実施する予定です。一方で、米国ストアでは先週末から招待や抽選を経ずに販売が始まりました。購入は1アカウントにつき1台までという制限はあるものの、「誰でも普通に買える」状況になっています。
とくに米国でSwitch 2の売れ行きが落ちているデータは見られず、この「日米格差」は不思議に思えます。なぜ、任天堂は国内では招待販売の方針を変えないのでしょう? そして、マイニンテンドーストアでの一般販売はいつ始まるのでしょうか。
ココがポイント
任天堂,Switch2招待販売の受付を開始。第1回招待販売の案内は10月6日午後以降に送付出典:4Gamer 2025/9/10(水)
Nintendo of America
Switch 2 has now sold an estimated 1.70 million(中略)in Japan.出典:VGChartz 2025/8/13(水)
Nintendo Switch 2 Has Sold 2 Million Units in the U.S出典:IGN 2025/8/27(水)
エキスパートの補足・見解
Switch 2の7月末までの販売台数は、米国が約200万台前後、日本が約170万台と推計されています。米国の市場規模は日本の5〜6倍あるため、日本での販売は明らかに「売れすぎ」です。任天堂は米国向けに多めの供給を行っていると考えられますが、日本では需要に供給が追いついていない可能性が高いようです。
実際、米大手小売店では1人で複数台購入できたとの声もある一方、日本では先着販売やゲリラ販売にとどまり、多くの「Switch 2難民」が生じています。また、仮に米国で余剰在庫があっても、日本語版と米国版という地域別仕様の違いがあるため、日本市場に振り向けることは基本的にできません。
そもそも任天堂が日本向けモデルを米国モデルより安く設定したのは、ソニーやマイクロソフトより日本市場を重視しているためと考えられます。しかし、日本のユーザーが任天堂ハードに向ける情熱はそれを上回っていたようです。
今後も任天堂は日本市場を戦略の中核に据え、ゲーム内容も日本向け優先にする見込みが高いでしょう。ただし、ユーザーにとっては「Switch 2を欲しがるライバルが多い」という状況が続き、争奪戦はしばらく収まらないかもしれません。
京都大学法学部大学院修士課程卒。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。現在はGadget GateやGet Navi Web、マグミクスで記事を執筆中。