富士登山でサンダルやドローン…“入山拒否”外国人相次ぐ ゲート封鎖後に押し問答も

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 富士山が山開きして初めての週末。今年から短パンやサンダルなど軽装の登山者への対応が強化されるなか、入山を拒否される外国人観光客も相次ぎました。

山開き後、初の週末

 富士山で相次ぐ登山者のルール違反。入山を拒否される外国人も…。山開きした富士山で今、何が起きているのでしょうか。

 日本一の山を求めてごったがえす玄関口・富士山5合目。

カナダからの観光客 「Here We Go FUJI」

 過去には、徹夜で一気に山頂を目指す“弾丸登山”と呼ばれる危険な山登りが相次ぎ、山梨県は今シーズンから、無計画な登山者の入山を拒否できるように権限を強化しました。

 こちらは13人のインド人グループ。入山しようとして、職員に止められてしまいました。

インド人観光客 「6合目に行きたいだけなのに雨具が必要だと言われました」

「入山料のことも知らなかったです」

 今シーズンから、入山料は2000円から4000円に倍増。13人で入山しようと思うと、5万2000円かかります。さらに、全員分の雨具をそろえるとなると相当な額になります。

インド人観光客 「一日中じゃなくてちょっと行って帰ってくるプランだったから、どうしようか考えています」

 こちらは…。

富士山レンジャー 「レインパンツがないと、きょうは天候が荒れるので」

 持っていた雨具が規定を満たしておらず、入山拒否された2人は売店へ。

 富士登山の醍醐味(だいごみ)の一つと言えば…。

山下雄司さん(24) 「ご来光を眺められればと思っています」

 初挑戦にして、頂上での“ご来光”を狙う社会人カップル。しかし、雲の多いあいにくの空模様に不安がよぎります。

山のスタッフ 「(あすは)朝は一応、晴れるかなと」

 2人は、無事ご来光を拝めるのでしょうか?

 こちらは父と子。そして父の上司の3人で富士山山頂を目指すパーティー。隊長を務める小学4年生の蒼介くん(9)は、初めての挑戦です。

蒼介くん 「(Q.なんで山登ろうと思った?)登りたかったから」

 サッカーで鍛えた足で、父親たちを先導する“子ども隊長”。登り始めてから30分。6合目付近で休憩すると、パンパンに膨れたお菓子の袋に興味津々です。

 富士山での課外授業もつかの間、さらに登っていくと、蒼介くんの言葉数が少なくなってきました。

 ペースをゆるめ、気分転換に「しりとり」をして登ることに。

 なんとか絞りだした言葉は…。

 蒼介くんたちは、この後、山小屋に宿泊。翌朝のご来光に備えます。

 ルールを守って登山をする人がいる一方でこんな人も…。

 外国の方でしょうか、ドローンのようなものを飛ばしています。

 登山者に当たってけがをさせる恐れもあるドローン。環境省が使用を控えるよう呼び掛けているマナー違反の行為です。さらに…。

山梨県の職員 「サンダルなので、下りてもらいます」

 見回りする県の職員が発見したのはサンダル姿の外国人。途中で靴が壊れたため履き替えたと言いますが…。

山梨県の職員 「登山靴を買ってください。山頂に登れません」

 7合目付近まで来たにもかかわらず、いったん、売店のある5合目まで戻ることになりました。

 午後2時をすぎゲートを封鎖した、その5合目では押し問答も…。

イギリスからの登山客 「山小屋の予約をここで取れますか?」

 男性は宿泊できる山小屋を探しますが、空いていなかったようです。再度交渉しますが…。

イギリスからの登山客 「絶対に時間通りに戻れます」
職員 「あなたの体力を疑っているわけではありません。ルールです」

 結局、入山を断念しました。

富士山頂 ご来光に客殺到「登ったかいあった」

 一方、ルールを守って富士山山頂を目指した、あのカップル。そして、子ども隊長は無事ご来光を拝むことができたのでしょうか。

 翌朝の5日午前4時半ごろ、山頂には多くの登山客の姿がありました。オレンジ色に染まる朝焼け。ご来光は、雲に隠れていましたが幻想的な雲海を満喫できました。

山下さん 「ご来光は眺められませんでしたが、気持ちよかったです」

 そして、あの“子ども隊長”は、本8合目・3400メートルまで登り、ご来光の時を迎えました。

蒼介くん 「(Q.どうですか?)登ったかいがあって、すごくきれい」

(「グッド!モーニング」2025年7月6日放送分より)

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