6000円超えの画像編集ソフトが無料に。クリエイティブツールの根幹に変化の兆し

Image: Affinity

画像編集ソフト「Affinity(アフィニティ)」の各種ソフトウェアが、完全無料で利用できるようになりました。これ、業界を揺るがすニュースだと思うんですよね。

Affinityといえば、プロも使う一方で、「画像編集を学びたいけれど、AdobeのPhotoshopやIllustratorをサブスクするほどではない」というユーザーから絶大な支持を受けていた、有料の買い切りソフト。公式のチュートリアルも充実しているし、クリエイターがYouTubeで解説動画を作ってアップしてくれているから、編集ソフトに対するハードルを大幅に下げてくれた功労者的な立ち位置です。もちろん日本語にも対応しています。

それが、Adobeでいうところの、フォトショとイラレとインデザインが統合されたような完全版的な存在となって、完全無料で提供されることになりました。

なんだか時代の変化も感じるなぁ。

クリエイティブツールの価値は変わった

Image: affinity via screenshot

ちょっと前まで、クリエイティブツールが使いこなせるのはデザイナーのイメージが強かったと思います。

しかし、クリエイティブツールにどんどんAIが搭載されるようになったし、アマチュアが使う写真ツールなんかにも編集機能がついていて、いい感じの絵にするのが簡単になりました。

そんな中、プロも使うAffinityのサービスって、ニーズが減少傾向にあったのではないかと思います。あと、「プロも使う」という表現がミソで、「プロも使う」けれど「プロ向け」ではないんです。Photoshopに負けず劣らずの機能があるけれど、専業のプロが使おうとしたら物足りないと言われています。「プロも使うけれど、ガチ向けではない」というのが正しい評価かも。

そして、だからこそ、思い切った無料化切り替えになったんじゃないかと思います。

Adobeのように、古くからプロ御用達として確固たる地位を築いていて、ワークフローから外せないレベルになっていれば話は別ですが、Affinityユーザーって「サブスクするほどでもない」ユーザーをターゲットにしていましたし。

さらに、Affinityは2024年にCanvaに買収されています。Canvaは、デザイン初心者や非デザイナーが気軽に使えるビジュアル作成プラットフォームとして大人気。画像編集はできないけれど、「Canvaなら使える」という人も少なくありません。

この買収によって、プロツールとカジュアルツールの壁が低くなった気がします。「Affinityもサブスクになるのでは」と「Adobeへの対抗が強まった」なんて言われていましたが、蓋を開けてみれば完全無料化。

純粋な「プロ向け」編集ツールはAdobe一強ってことでしょうか。

とりあえずダウンロードしようよ

ちなみに、Affinityはいいアプリです。

私は、Mac版もiPad版も正規の価格で購入しています。今回、無料で公開されましたが、購入したことを後悔したこともないし、満足しているアプリです。決して簡単とは言いませんが、チュートリアルが充実しているので、やる気があるなら使いこなせるようになります。

だから、このチャンスにとりあえずダウンロードしてみてほしいですね。

新しいツールを学ぶのは純粋に楽しいし、誰もがAIでいい感じの絵を作れるようになった時代だからこそ、自分のアイデアを表現する術を持っているというのは強みになると思います。

Image: affinity via screenshot

今はMac版とWindows版だけですが、近々iPad版もローンチ予定とのこと。

私も早速Mac版を入れましたが、Canvaの有料プランユーザーならAI機能も使えるし、ワークスペースのカスタマイズ性も向上して、より使いやすくなっていると感じました。

個人的には、こんな太っ腹な価格改正(?)はないと思いました。

AI画像だらけの今だからこそ、一人一人の才能も花開いてほしい。Affinityの無料化って、その後押しになる気がしますよ。

Source: affinity

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