英・EU、ロシアに停戦圧力 「影の船団」標的に追加制裁
[ブリュッセル/ロンドン 20日 ロイター] - 欧州連合(EU)と英国は20日、米国の参加を待たずに、ロシアに対する新たな制裁措置を発表した。ロシアが西欧諸国の制裁回避に使用する「影の船団」に属するとみられる石油タンカーのほか、制裁回避の支援が疑われる金融企業などを標的とする。
欧州はトランプ米政権に対ロシア制裁に参加するよう強く働きかけていたが、 EUと英国は 米国による 措置の発表を待たずに 今回の制裁を発表。ブリュッセルで開かれたEU外相会合に出席したドイツのワーデフール外相は、「われわれはロシアに対し、前提条件なしの即時停戦を期待していると繰り返し明確に示してきた」とし、ロシアが停戦を受け入れないため、対応せざるを得ないと言及。米国もロシアが停戦に応じていないことを「容認しないよう期待している」と述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は「制裁措置は重要だ。戦争の加害者に(痛みを)実感させるよう尽力する全ての人に感謝する」と対話アプリ「テレグラム」に投稿した。また、米国も加われば望ましいとし、「平和を近づけるプロセスに米国が関与し続けることが重要だ」と強調した。
EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は制裁措置発表後にゼレンスキー大統領と電話会談を実施。侵攻を続けるロシアに一段の圧力をかけるため、欧州諸国は一段と強力な措置を盛り込んださらに新たな制裁を準備していると明らかにした。また「停戦を実現するためロシアへの圧力を強める時が来た」とXに投稿した。
フランスのバロ外相は「プーチン(ロシア大統領)に帝国主義的幻想を終わらせるよう圧力をかけよう」と表明。英国のラミー外相は「和平努力を遅らせることは、ウクライナの自衛を支援し、制裁を用いてプーチンの軍事力を制限するというわれわれの決意を倍増させるだけだ」と述べた。
ロシア外務省のザハロワ報道官は、ロシアが「最後通告」に屈することはないと言明。プーチン大統領が19日、将来の和平協定に関する覚書についてウクライナと協力する用意があると述べたことについて、「したがって、ボールはキーウ(キエフ)側にある」と述べた。
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Andrew Gray is Reuters' European Affairs Editor. Based in Brussels, he covers NATO and the European Union and leads a pan-European team of reporters focused on diplomacy, defence and security. A journalist for almost 30 years, he has previously been based in the UK, Germany, Geneva, the Balkans, West Africa and Washington, where he reported on the Pentagon. He covered the Iraq war in 2003 and contributed a chapter to a Reuters book on the conflict. He has also worked at Politico Europe as a senior editor and podcast host, served as the main editor for a fellowship programme for journalists from the Balkans, and contributed to the BBC's From Our Own Correspondent radio show.
Sam Tabahriti is a UK breaking news correspondent covering general and political news for Reuters. He has over five years of experience covering general news and three years covering business and legal news. He is also a keen cyclist and photography enthusiast.