ハンガリー総選挙、若年層がオルバン氏離れ 再選なら国外移住との声も
[ソンバトヘイ(ハンガリー) 6日 ロイター] - ハンガリー議会の総選挙の投票日を12日に控え、同国が加盟している欧州連合(EU)に懐疑的な排他主義者のオルバン首相(62)が2010年に政権を掌握してからの16年間で最大の危機に直面している。大部分の世論調査によると、オルバン氏に反発する若年層有権者らが支持する中道右派の野党「尊重と自由(ティサ)」の優勢が伝えられているからだ。オルバン政権が続く場合には国外へ移住すると訴える国民もいる。
ティサを率いるマジャール氏(45)はメディア対応がうまく、オルバン氏が率いる右翼政党「フィデス・ハンガリー市民連盟」に幻滅した多くの若年層にとって魅力的な選択肢となっている。
社会学者のダニエル・オロス氏は「フィデスの思想はもはや若者に理解されていない」とし、総選挙では大学生がとりわけ重要な有権者層になっていると指摘。彼らが団結して投票した場合、特定の政党が議席を持つのに必要な5%の得票率の壁を越えられると指摘した。
22年のロシアによるウクライナ侵攻後、ハンガリーからの海外移住者数は急増している。侵攻はハンガリー経済に特に深刻な打撃を与え、EUで最も激しいインフレ率上昇を引き起こした。
EUの調査によると、移住者の大半は20―34歳の労働者の年齢層で、帰国した国民も多いものの純減となっている。社会学者によると、EU加盟国の中で最も貧しい国の一つであるハンガリーは将来の見通しを示せていないことが人口流出の要因となっている。
取得しやすい価格の住宅不足といった問題は欧州全体で若者を悩ませている一方で、ハンガリーには腐敗や教育の質といった国内特有の問題も多く存在する。特に教育問題については22年のオルバン首相の再選以来、度重なる抗議活動を引き起こしている。
オルバン氏に反対する学生デモに数回参加してきた大学生のタマラ・ポーリーさん(18)は首都ブダペストのカフェで「フィデスに投票する人々や、フィデスの価値観の支持者が多数派を占めるような国には住みたくない」と言及。工業デザイナーを目指しており、オルバン氏が政権を維持した場合には卒業後に外国へ移住するつもりだと明かした。
<若年層の票を狙う首相>
オルバン氏は25歳未満の所得税を廃止し、EU域内でも最も急激な住宅価格上昇が続く中で初めての住宅購入者が第一歩を踏み出せるように3%の補助金を付けた住宅ローン制度を導入した。
オルバン氏はハンガリー南部センテシュでの選挙遊説で「戦争の影が迫る中でも、ハンガリーは若いハンガリー人が(中略)成功し、自立した人生を送れるようにあらゆることを実施してきた」と訴えた。
一方で時折いら立ちを爆発させ、若者からの反発に「見せかけの反乱だ」とレッテルを貼ったり、政府が若者支援のために講じた措置に彼らは感謝すべきだと説教したりしている。
世論調査会社メディアンによるとフィデスは18―29歳の有権者から8%の支持しか得ておらず、ザベッツ・リサーチによると18―39歳でも22%にとどまっている。
マジャール氏は、オルバン氏が民主的自由を侵害したとしてEUが凍結したハンガリー向けの数十億ユーロの補助金を受けられるようにすると公約。その資金の一部を若年層の関心が強い教育と手ごろな価格の住宅の拡充に充てたいと表明した。
しかし、全ての若年層がオルバン氏に反対しているわけではない。西部ソンバトヘイでのオルバン氏の支持者向け集会に参加したゲルゴ・ファルカスさん(18)は、数々の危機を乗り越えて培われた経験、世界の指導者たちとの強固な絆、伝統的なキリスト教的価値観を称賛して「真のハンガリーの指導者だ」と訴えた。
その上で、政治的な理由でハンガリーを去ろうとしている国民は事実上「反逆」の罪を犯しているとして「真のハンガリー人は、いかなる政権下であってもそのために国を去るべきではない」と主張してこう説いた。「4年ごとに選挙があり、その時に改めて挑戦すればいい」
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Gergely reports on central European economics, central banking and government policy, with content usually appearing on the Macro Matters, Markets, Business and World sections of the website. He has nearly two decades' worth of experience in financial journalism at Reuters and holds advanced degrees in English and Communication.