戦争ではデータセンターが標的に ロシア軍がキーウの施設を相次いで攻撃 デジタルインフラの防御策は? #エキスパートトピ
ウクライナでの戦闘は日々、21世紀の戦争の実態を映し出しています。
これまで発電所やダムなどの主要インフラが狙われていましたが、ロシア軍は今度、主要都市にあるデータセンターを標的にし始めました。攻撃により、10万世帯がネットにアクセスできなくなったことや、派生した通信障害でテレビ局などの配信が停止に追い込まれました。
ネット遮断に伴う情報網の麻痺は、市民がスマホの空襲警報アプリが受けられなくなったり、金融・経済システムに大打撃を与えます。
ウクライナでの戦争はデジタルインフラの防御策が新たな焦点となっています。
ココがポイント
ウクライナの通信基盤標的に攻撃 ロシア、市民生活への打撃狙いか出典:共同通信 2026/9/28(月)
イラン、米テック企業拠点を潜在的標的として名指し。紛争の影響、デジタルインフラにも出典:WIRED.jp 2026/3/13(金)
戦争がクラウドを壊した日——AWSドバイデータセンター被弾の全容と、IT業界が学ぶべき教訓出典:Qiita 2026/3/3(火)
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エキスパートの補足・見解
9月25日、キーウのデータセンターが攻撃を受けました。報道によれば、このデータセンターは、バックアップサイトから全データを復旧し、事なきを得ました。
しかし、露国防省はデータセンターは「ウクライナ軍のための諜報データを処理・送信している」と明かし、SNSに「デジタルデトックス」というイラストをつけて、今後も標的にすると宣言しました。
そして、翌26日、キーウでの別のデータセンターが攻撃を受け、大規模な通信障害が発生したのです。
これは現代の戦争のステージがデジタルインフラ攻防戦に移ったことを意味します。
今夏、露やウでは大手通販企業の各地の物流倉庫が破壊され、ネット通販による物資の調達が困難になりました。
またウ軍は露国内の製油所を相次いでドローンで破壊し、ガソリン給油を麻痺させました。
その報復として、露軍はウ国内の情報網を標的にし始めました。ネットの遮断はミサイルやドローンの飛来を市民に知らせる「空襲警報アプリ」の稼働を不可能にします。
中東危機でもデータインフラが破壊される事例も起きました。専門家は露が通信インフラを「体系的に破壊する新たなフェーズに入った」と分析しています。
データ移行には重い負担がのしかかります
岩手県一関市生まれ。一関一高、大阪外国語大学ロシア語学科(現・大阪大学)で学び、産経新聞社に入社。モスクワ支局長、リオデジャネイロ支局長を経て、運動部次長、社会部次長などを歴任した。2021年より現職。専門分野はロシア・旧ソ連諸国情勢、オリンピック・パラリンピック、捕鯨問題などにも詳しい。フィギュアスケート関連ではNumberなどにも寄稿。単著に「シー・シェパードの正体」(扶桑社新書)「環境テロリストの正体」(新潮新書)。近著は「動物の権利」運動の正体(PHP新書)。ラジオ大阪で隔週水曜日「佐々木正明の耳からウロコ」を放送中。