【検証】「11年着つづけたエアリズム」がヤバい

地元の友人たちとオンライン飲み会をよくやるのだが、あるとき「N田はいつも同じダルダルのシャツを着ているよな」という件が議題に上がった。友人N田はオンライン飲みの際、ほぼ必ず “Vネックが伸び切ってUネックと化したグレーのTシャツ” を着ている。

ちなみに彼は丸の内のサラリーマンで、普段の格好はかなりパリッとしたほう。在宅時のダル着(どうでもいい部屋着)のみ、人並み外れてダルッダルなのだ。

この件について本人を問い詰めた結果、3つの事実が判明した。「同じ服が何枚もあって着まわしている」こと、それは「ユニクロのエアリズム」であること、そして「全てのエアリズムを週1ペースで10年以上着続けている」こと……!

・ビンテージエアリズム界隈

なんだか急激にN田のダル着に興味が湧いてきたので、実物を見せてもらうことにした。

こうして見ると「ずいぶん大胆な切れ込みのVネックですね」といった程度なのだが……

近づいてみると年季がエグイ。エグすぎて逆にビンテージ品としての価値を疑うほど。

別バージョン。こういうデザイン説ある。

さて。読者は「ユニクロ製品がタグによって製造年を判別できる」という件をご存知だろうか。詳しい見方は各自ググっていただくとして、ともかくタグからは、このエアリズムが『2014年製』であることが読み取れる。

「エアリズムは5年着ると『化けエアリズム』になる」という話をどこかで聞いたような聞かないような気もするが、ともかくコレは理外の11年モノ……それも現役だ。もはや「エアリズムに着られている」と言ったほうが正しいのかもしれない。

・考古学の観点

研究のため、貴重なビンテージエアリズムをN田から数枚レンタルしてきた。

なお、私はエアリズムを買ったことも着たこともない。なんとなく “ヒンヤリする服” なのかと思っていたら、N田いわく「冷感効果があるというよりは、汗を速攻で乾かしてくれるから着心地がよい」とのこと。なるほど。

N田のビンテージエアリズムは、どれも左肩部分がハチャメチャに損傷しているのだが……

不思議と右肩部分は比較的キレイな状態である。N田は右利きなので、普通に考えれば右側が痛みそうなものだけれど……あるいは左向きで寝るクセでもあるのかな? 服飾のことは本当に分からないな。

分からないので新品のエアリズムを購入してみた。N田の愛用品と同じもの(の最新型)だが、現在グレーは展開していないらしくブラックでご勘弁を。

同じMサイズでもネックの「V」が大文字と小文字くらい違うことが見て取れる。

新品のv(小文字)は約17cm。

に対して、11年モノのV(大文字)は約21.5cm。11年の歳月はVネックを5cm近くも伸ばすものなのか……。

・徹底比較である

こうなると展開はひとつしかない。新品のエアリズムとビンテージエアリズムの機能性を比較するのだ。が、しかし……

エアリズムって超スケスケなのな!?

慌ててN田に確認したところ、どうやらエアリズム(肌着)は一般的に、単体で着用するものではないようだ。N田が単体着用していたのはあくまでダル着としてであって、外出の際は上に別の服を重ね着するとのこと。

ついでにN田の名誉のためにお伝えしておくと、彼がビンテージエアリズムを着用するのは自宅だけ。誰にもバレないとはいえ、外出時はピカピカのエアリズムを着込んでいるのだそうな。

物持ちがいい男なのである。

ってことでN田に習い、大きめシャツの下にエアリズムを仕込んで生活してみた。まず新品から。……なるほど。たしかに明確にサラッとしていて、かいた汗は瞬時に吸い込まれどこかへ消えていく。外出する機会が多い人や汗っかきの人には最適な肌着なのかもしれん。

ただ、私はそもそもあまり汗っかきなほうではない。また、これまでの人生で培った「夏場は少しでも面積の狭い衣服を着用したい」という思いがなかなか消し去れないことからも、少なくとも私の場合、いきなりエアリズムハードユーザーになる可能性は低そうである。

とはいえ、エアリズム単体で過ごすお部屋時間は非常に気に入った。スケスケ問題があるので外出は不可だが、暑い夏はなるべく家で過ごすようにしているから問題ない。けっきょくN田と同じルートを辿っているな、私は。

なおビンテージエアリズムも同様に着用し外出してみたところ、ダルダル化による着心地の低下は若干あれど、吸水力やサラサラ感に大きな差はないように感じられた。あくまでエアリズム初心者の所感ではあるが、ビンテージエアリズムに興味がある人は参考にしてほしい。ユニクロって偉大だよね!

ついでに女子向けのエアリズムを初めて購入してみたら、コレはすごく気に入ってヘビロテしている。ここから11年使用したらどうなるのか……? 答えは11年後の記事でお伝えしよう。

執筆:亀沢郁奈 Photo:RocketNews24.

▼だんだんオシャレに見えてくるから不思議

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