ドイツ警察にドローン撃墜権限が与えられる予定
ロシアによるスパイ活動や威嚇行為とみられるドローンの目撃が相次いだことを受け、ドイツ連邦警察はまもなく無人航空機を撃墜することが許可されると発表されました。
German police to be given power to shoot down drones
https://www.france24.com/en/europe/20251008-germany-moves-to-authorise-police-to-shoot-down-dronesGerman police can soon shoot down drones, addressing potential Russian threat https://san.com/cc/ukrainian-israeli-trained-german-police-will-be-allowed-to-shoot-down-drones/ アレクサンダー・ドブリント内務大臣が発表したところによると、新たに起草した法案で、ドイツ領空に不法に侵入したドローンを排除する権限を警察に与えるとのこと。脅威と見なされた場合や重大な危害をもたらすと判断された場合は、撃墜も許可されるとのことです。その他の手段では、レーザーを使用したり、信号を妨害したりすることも含まれます。
警察は主に、木の高さ程度まで浮遊するドローンを処理します。それ以上の高高度になると、軍隊が対処します。 さらに、ドイツ当局は対ドローン部隊も設置して対策を強化する予定です。この法案が可決されれば、ドイツは同様に治安部隊の権限を拡大しているフランス、イギリス、ルーマニア、リトアニアなどの他の国々と足並みを揃えることになります。
ドブリント内務大臣によると、ドイツは同盟国であるイスラエルとウクライナからドローンについて学んでいるとのこと。 ドイツはロシアの侵攻を受けているウクライナを支援していますが、その影響か、ドイツ国内でロシア所属と思われるドローンの目撃が相次いでいるとのこと。 特に軍事基地や工業地帯等のインフラ上重要な施設でドローンが確認されているほか、一度は空港で確認され、安全確認のためフライトが何便かキャンセルされるという実害も生じました。
ドイツのフリードリッヒ・メルツ首相は「ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がロシアのドローンであると認めていることは明らかです。彼は我々を威嚇し、恐怖に陥れようとしています。我々は威嚇に屈することなく、この脅威に対して効果的に自衛します」と述べました。 欧州連合の首脳らも、EUが実施するウクライナ支援でロシアが大きな脅威になっていると判断し、ドローン防護システム「ドローン・ウォール」の開発を推進しています。これは、センサーと兵器を用いてドローンを監視・排除することで、欧州大陸東部の安全保障を図るものです。
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