日米関税合意に関するホワイトハウスのファクトシート全文

ホワイトハウスが23日にウェブサイトに掲載した日本との関税合意に関するファクトシートは次の通り。タイトルは「トランプ大統領、前例のない日米戦略的貿易・投資協定を締結」となっている。

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日本との歴史的な貿易・投資協定:

  トランプ大統領は22日、日本との画期的な経済協定を発表した。日本は米国の最も緊密な同盟国の一つで、最も重要な貿易相手国・地域の一つである。

  この歴史的な協定は日米関係の強さ、米国が世界で最も魅力的かつ安全な戦略的投資先であるとの日本側の認識を反映している。

   また、経済的繁栄や産業における主導的地位、長期的な安全保障に対する両国の共通のコミットメントをあらためて確認するものである。

  この協定は、日米同盟がインド太平洋地域における平和の基礎であるだけでなく、世界的な成長とイノベーションの原動力であることを強く示すシグナルとなる。

  5500億ドル(約80兆円)を超える新たな日米投資枠組みと、米国の輸出品に対するアクセス拡大を通じて、この協定は二国間協力の新たな章を開く。米経済の潜在力を最大限に引き出し、重要なサプライチェーンを強化し、米国の労働者、地域社会、企業を今後何十年にもわたり支えていくことになる。

米国の産業力再生:

  日本は米国の主導の下、米国の中核産業の再建と拡張に向けて5500億ドルを投資する。

  これは外国投資として、いかなる国においてもこれまでで史上最大のコミットメントであり、数十万人規模の米国の雇用を創出して国内製造業を拡大し、何世代にもわたる米国の繁栄を確保することになる。

トランプ大統領の指示により、これらの資金は以下を含む、米国の戦略的産業基盤の活性化に重点的に投じられる

エネルギーインフラと生産分野=液化天然ガス(LNG)、先端燃料、電力網の近代化を含む

半導体の製造・研究分野=設計から製造まで米国の能力を再構築する

重要鉱物の採掘・加工・精製分野=必須資源への安定したアクセスを確保する

製薬・医療生産分野=外国製医薬品や医療用品への依存を終わらせる

商業および防衛用造船分野=新造および既存施設の近代化を含む

  この投資から得られる利益の90%は米国に帰属し、米国の労働者や納税者、地域社会が圧倒的な恩恵を受けることが保証される。

  この資本注入は、トランプ大統領のリーダーシップの下でこれまでに確保された数兆ドル規模の投資と相まって、一世紀に一度の産業復興の中核を成すことになる。

予測可能な関税枠組みによる貿易の均衡確保:

  この協定の一環として、日本からの輸入品には基準となる15%の関税率が適用される。

  この新たな関税枠組みは、数十億ドル規模の歳入をもたらすだけでなく、米国の輸出拡大や投資主導の生産拡大と相まって対日貿易赤字を縮小し、米国の全体的な貿易収支の均衡回復に寄与する。

  このアプローチは、一貫性があり透明性が高く、法的強制力を備えた貿易環境を構築するための米国の広範な取り組みを反映している。米国の労働者や生産者が、時代遅れまたは一方的な貿易ルールによってもはや不利益を被ることのないようにするものだ。

  この枠組みに歩調を合わせることにより、日本は日米経済関係の強さと相互尊重を確認し、公平性に基づいた持続可能な貿易の重要性を認識する。

米国の生産者に対する市場アクセスの拡大確保:

  米企業は何十年にもわたり、日本市場へのアクセスに際して多くの障壁に直面してきた。この協定は主要分野における画期的な市場開放を実現する。

 農業・食品分野:

  日本は米国産コメの輸入を即時に75%拡大し、輸入枠も大幅に拡張する。

  日本はトウモロコシ、大豆、肥料、バイオエタノール、持続可能な航空燃料を含む米国製品を80億ドル相当購入する。

 エネルギー分野:

  日本向けの米国産エネルギー輸出が大幅拡大される。

  米国と日本はアラスカ産LNGに関する新たなオフテイク(長期供給)契約を模索している。

 製造業・航空宇宙分野:

  日本はボーイング製航空機100機の購入契約を含む、米国製商用航空機の購入にコミットする。

  年間数十億ドルに上る米国の防衛装備品の追加購入により、インド太平洋地域における相互運用性と同盟の安全保障を強化する。

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 自動車・工業製品分野:

  長年続いていた米国製乗用車・トラックへの制限が撤廃され、米国の自動車メーカーが日本の消費者市場に参入できるようになる。米国の自動車基準が、史上初めて日本で承認される。

  多様な工業製品および消費財に対しても広範な市場開放が行われ、米国の生産者にとって競争条件が公平なものとなる。

日米経済関係における世代的転換点:

  この協定は単なる貿易合意ではなく、米国民に成果をもたらす日米経済関係の戦略的再編だ。

  今回初めて、協定の条件として米国の産業、イノベーション、労働力が中心に据えられた。

   歴史的な投資を確保し、長年閉ざされていた市場を開放することにより、トランプ大統領は他の誰にも実現できなかった協定を再び実現させた。この協定は米経済の再建や産業基盤の強化、国家の力を今後数十年にわたり守る助けとなる。

  トランプ大統領は、米国が強さをもって主導すれば、世界がそれに従い、米国が勝利することを証明している。

長期的な経済パートナーシップの確保:

  この協定は、米国と日本の強固かつ持続的な関係を反映しており、両国の共通利益を前進させるものだ。

  経済および国家安全保障、エネルギーの信頼性、互恵的な貿易に関して足並みをそろえることで、この協定は共通の繁栄や産業の強靭(きょうじん)性、技術的リーダーシップの基盤を築く。

  トランプ大統領は、米国民のために再び変革的な成果を実現した。これにより、米国の労働者や生産者、イノベーターが世界経済の中で正当に報われ、尊重され、力を発揮できるよう確保される。

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