「飲み会前にウコン」は逆効果…認知症専門医が解説「ビールは1日何本までセーフか」の最終結論(プレジデントオンライン)

■ビールを1日2杯以上飲む人は要注意 具体的には、どの程度の飲酒が認知機能に影響をもたらすのでしょうか。 大規模な研究によると、1日に缶ビール(350ml)2本以上飲む人は、それより少ない人に比べて認知症リスクが約22%高くなることがわかりました。※ ※Kivimäki M, Singh-Manoux A, Batty GD, Sabia S, Sommerlad A, Floud S, et al. Association of Alcohol-Induced Loss of Consciousness and Overall Alcohol Consumption With Risk for Dementia. JAMA Netw Open. 2020;3(9):e2016084. 22%というと、一見、低い数字に思えるかもしれません。しかし、遺伝などの素地に加え、喫煙や塩分の摂り過ぎ、運動不足、一人暮らしをしているなど、認知症につながる要因は複合的です。飲酒だけで2割増しになるのですから、軽視してはいけません。 また、この研究の中で、気を失うような飲み方をすることがある人は、平均の飲酒量は少なくても、認知症リスクが約2倍に高まることが示されました。 普段はあまり飲まなくても、飲む時は酔い潰れてしまうまで……というような経験がある人もリスクは十分高くなるという認識が必要です。■0杯よりも、適量がいい? 時々、「お酒はちょっとは飲んだ方がいい」という専門家がいます。「酒は百薬の長」ということわざもあります。これは本当でしょうか。 おもしろい研究があります。 400万人の韓国人を対象に追跡調査した大規模な研究です。※ ※Jeon KH, Han K, Jeong SM, Park J, Yoo JE, Yoo J, et al. Changes in Alcohol Consumption and Risk of Dementia in a Nationwide Cohort in South Korea. JAMA Network Open. 2023;6(2):e2254771. 対象者は以下の4つのグループに分類され、その後の認知症(特に、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症)の発症との関連があるかどうかを評価しました。----------① 飲酒をまったくしない人② 一日あたりのアルコール摂取量が350mlの缶ビール換算で1本以内③ 2本以内④ 2本を超える人たち---------- 2本を超える飲酒があった人(④)の認知症発症リスクが高いのは、、先ほど説明した通りです。 では、「飲酒量は少なければ少ないほどよい」のでしょうか。 結果は思ったよりクリアではありません。

 飲酒をまったくしない人(①)と比較すると、継続して缶ビール2本以内に抑えていた人(②③)では認知症発症リスクが低かったのです。

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